ブランク製作から測定まで幅広くカバーする牧野フライス精機。工具研削盤のフラッグシップマシン「AGE30FX」はJIMTOF初出展。確認したい自動化対応の著しい進展。
清水社長
牧野フライス精機はJIMTOFでどのような提案を計画しているのか。清水社長を訪問し、この間の取り組みもヒアリングしつつ、紙面化を試みた。
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待望のリアルJIMTOFの幕が上がる-と清水社長は期待を膨らませる。
「コロナ禍に配慮して、オンラインセミナーに取り組み、顧客に対する技術的なフォローに努めてきたが、やはり、自分の目で見たものに勝るものはない」。
誰もが納得する言葉だろう。
AGE30FX、SG10という主力のNC工具研削盤2機種をはじめ、内蔵型マイクロビジョンシステム「monocam2」、ブランク研削盤「TAD」、そして工具測定装置「procam」、砥石プリセッタ「PMZ-2」、簡易型工具検査装置「pomMZmicro」をそれぞれ出展、ブランク製作から測定まで幅広くカバーしていく考えだ。
「AGE30FXは、JIMTOF初出展となる。AGE30に比べ、ワーク収納本数の大幅な拡大やワーク交換時間の短縮など、自動化への対応が著しく進化を遂げている点を是非とも、ご確認いただければと思う」。
導入実績が着実に積み上がっていくなか、昨年のメカトロテックにも出展され、実機に触れたユーザーも多いだろうが、4年ぶり開催となるJIMTOFの集客力に、さらに期待は高まるだろう。
「加工実演では、AGE30FXにmonocam2を搭載し、『画像認識技術』を活用して、ドリルの刃先のホーニングを行う予定。所要時間は最低でも従来比半減できるほか、測定ピッチを小さくできるため、より正確な測定が可能になる」。
機上でセットしたまま、φ12ミリまでホーニングができるそうだ。
簡易型工具検査装置「pomMZmico」は、パブリックの展示会では、本邦初公開となるが、販売は既に今年9月からスタートさせている。測定工具径はφ0・1ミリ~40ミリ。カメラ倍率は×20-240というスペックだ。
「すでに引き合いを頂いている。ドリルやエンドミル等の各種切削工具を高性能・高解像度カメラで撮影し、工具測定が容易に行える。省スペースのため、測定室や工具研削盤の隣に設置可能で、作業効率の点でもメリットを訴えていきたい」。
牧野フライス精機の工具研削盤の受注は前期から好調に推移している。monocam2の搭載機も顧客に提供できるようになってきており、実績ではすでに2桁台。JIMTOFでのリアルな「体感」を通じて、更なる深耕を期待したい。