TGR-250αにインサートチップ加工用モデル登場。専用のクランプ機構搭載。宇都宮製作所。
取材に対応してくれた田中開発部長(右)と小柳技術部長
JIMTOFでインサートチップ研削用のTGR-250αが出展されると聞いて十日町工場を訪問。田中開発部長、小柳技術部長に特長となるポイントを取材した。
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TGR-250の後継機として、市場投入されてから1年が経過したTGR-250αにインサートチップ研削専用のワークヘッドが搭載された。
「外観は通常のTGR-250αだが、加工自由度の高い5軸構成はそのままに、チップ専用のクランプ機構を採用した。ドライバー軸と受けとで挟み込む形式なので、穴の開いていないチップの加工も可能。溝入れチップなど、複雑な形状に向けて提案していきたいと考えている。もちろん、再研、製造ともに対応可能」と訴える。
砥石軸セット数は5セット。自動砥石交換機能が採用されており、加工内容に合わせて最適な砥石の選択が可能だ。
「砥石は最大径φ300ミリまで対応し、プロファイル加工を多用することを想定する。V形砥石のドレスが行えるよう、ドレス装置は新設計した」そうだ。
「チップの追加工となると各コーナーを合わせないといけない。ワーク測定用のセンサーでズレを測り、補正して加工していく。そのレベルは高いと自負している。総形チップで市販にない角度に変えて欲しいといったニーズは少なからずある」との需要も見据えている。
JIMTOFでは、インサートチップ研削仕様のTGR-250αで製作した加工サンプルを手に取って確認することができるようだ。
もちろん、ブースには通常のTGR-250αも同時出展される。
本格市場投入から1年が経過するなかで「砥石軸とクーラントノズル軸を自動で交換できるオプション、ロ―ラーガイド採用に対する面粗度アップといった評価に加え、見た目の評判もいい。引き合いや受注の社内比率も上がってきた」そうだ。
JIMTOF会期中、軸モノ工具やカッター類のデモの実施が予定されている。
宇都宮製作所を取り巻く最近の状況では「PCD工具への需要が高く、砥石の仕様を巡る話題が多い。放電やレーザー加工機も話題には上るが、相談を受けるなかで、最終的には研削加工に話が及び、この分野のニーズの高さを感じている」「新規の顧客からは太モノの溝切で評価され、事実、太くて長い工具づくりで相談を受ける頻度が増してきた」との事例が紹介された。
外観は通常のTGR-250αと同じ。チップ研削仕様としてアピールしていく。
チップはドライバー軸と受けで挟んでクランプされる
ワーク加工例