今年のトピックスは工具の価格改訂。影響大きい電気代高騰。サカイの実績は2019 年レベル上回る。
酒井社長
今年の切削工具を巡るトピックスは「価格改定」と言えるだろう。
酒井社長は「今年の春先から順次、発表されていき、11月までにほとんど、実施に移されたと思う。一時的には駆け込みがあり、ボリュームが上がったが、内容を見ると『常に使用するもの』が大半で、総量という面では、改定後の反動はあまり見られなかった」と語る。
大枠では、工具の原材料高と電気代の高騰が「改訂」へと向かわせた面が大きい。
「特に電気代の高騰は、ハイス工具づくりを直撃していると思う。今後も改定が繰り返される可能性があるだろう。弊社としては、在庫を充実させていくことが、引き続き、商売上のカギを握ると思っている」。
今期の12月決算は過去最高を記録した2018年には及ばないものの、コロナ禍前の2019年レベルを上回ると予想。
「需要が総じて堅調だったとの側面もあるが、弊社に即せば、インサートチップやねじ切り関連を充実させるなど、販売アイテムを増やした結果、売り上げが伸長した」。
荷動きから仕入れメーカーの動きを特徴づければ「小径から微小径を扱うメーカーは伸び、小径から大径まで幅広く対応しているメーカーの伸び代は小さかった」とも。
産業と言う切り口では「多少の上下動はあるが、半導体産業の需要は一貫して高い。工具の価格改定後も、コンスタントに数字を刻んでいる」と指摘する。
だが、為替の変動、自動車のEV化など、「工具需要に変化を及ぼす先行きの不透明感は、今後、どうなっていくのか。難しい時代に入っている」。