標準品で98%以上の供給能力を発揮したイスカルジャパン。営業力強化がカギ。
岡田代表取締役
イスカルジャパン本社を訪問。市場ニーズを踏まえた製品の特徴と顧客からの評価ポイント、営業・マーケティングにおける最近の成果と課題、リアルJIMTOFの総括、2023年の抱負など、多岐にわたる話題について、岡田代表取締役に伺った。
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「昨年、2022年の業績は、予想を上回る実績が残せた。2021年比プラスで、過去最高に比肩するレベルを記録。コロナ禍で国際物流に支障が出た状況下でも、標準品で98%以上の国内における供給能力を発揮でき、サービス面での自信にも繋がった」と言う。
欠品がほとんど発生していない。コロナ禍ではまさに「付加価値」に直結するだろう。
2年間で日本市場に投入した新製品は約30製品群
「この2年間で日本市場に投入した新製品は約30製品群に上った。もちろん、サイズ拡張など、バリエーションの拡大は含んでいない。最新工具は、最先端の技術を具現化したものであり、是非とも手に取って、先進の加工でお試し頂ければ」と訴える。
そこで2022年に話題となり、販売の伸び代でも注目される3アイテムを挙げてもらった。
1つ目は、ヘッド交換式ドリル「SUMOCHAM」の3枚刃仕様「LOGIQ3CHAM」。
「機上で対応できるヘッド交換式への評価が高い。ホルダーの段取り替えを不用とし、生産性ばかりか、精度の点でも信頼性が高まっている。利便性を高めるため、ヘッドは拡充中だ。建設機械、自動車関連、輸送機などの分野で実績を積み上げてきている」。
2つ目に挙げられたのは、ヘッド交換式エンドミル「MULTI-MASTER」。
「複合加工機や小型マシニングセンタなどの工作機械のスロッティング加工で特に成果を上げてきている。ロング切刃、フェイシングヘッドへの需要が高く、小径加工ニーズを踏まえた特殊形状の受注拡大も目立つ」。
3つ目には、高送り突切り工具「LOGIQFGRIP」に言及された。
「送りで驚異的な4倍を実現する革新性を備える。突切り・溝入れ加工時間の短縮と切屑量の削減に寄与し、自動盤での生産数拡大に貢献している。簡単にチップの取り換え可能な点も好評だ」。
4年ぶりとなったリアルJIMTOFについては「来場者の加工ニーズが把握できるアンケート採りに努め、結果、1000件以上の、中身のある回答を得た。今後のフォローアップにおける貴重な資料となった」と評価する一方「イスラエル本社から50人近いメンバーが来日。うち半数のスタッフが開発を担っている。これは弊社がJIMTOFをIMTS、EMOと並ぶ3大見本市と位置付けている所以だ」との判断が下された。
因みにイスカルジャパンは2021年から全世界のイスカル販社の中で、売り上げ実績で5番目にランクインしている。
「まだまだ、日本市場において伸び代があると捉えている。と言うのも、イスカル全製品のうち、ラウンドツール含め市場に浸透できていない製品がジャパンでは4割にも上るからだ。イスカル全体で6000アイテムを超える特殊品の日本国内でのアピールも課題であり、今後は更なる営業力強化に努め、フルツーリングメーカーとしてのイスカルブランドを浸透させていきたいと思っている」。