省力化追求して、どれだけ利益を生み出せるか。今年から数年先見据えた取り組み始動したシーケィケー。

C.K.K株式会社

C.K.K株式会社

澤田社長

今年、2023年から、数年先を見据えながら、限られたマンパワーで、どれだけ効率よく運営していけるか、澤田社長の挑戦が始まる。その核心は「省力化を追求してどれだけ利益を生み出していけるか」。まずは、新年に当たって、日本をはじめ、中国、タイ、ベトナム、それぞれの概況をなぞってもらった。

 日本本社は8月決算を終えて、9月から今期がスタートした。
 「月によるバラつきはあるものの、減収増益で推移。生産性向上と販管費削減など、いろんな指標を相互に織り込み、幹部とともに目標を掲げて、トータルに結果を出していくことに努めている。なかでも功を奏しているのが企業内転勤。日本への外国人入国が緩和されるようになってきて、日本本社は、中国やベトナムの実習生を起用し、実地で研修が行えるようになってきた」。
 設備の更新・増強にも、配慮していく年となるようで、この間、工具研削盤や測定機を相次いで導入している。
 「特に設備の増強では省人化を意識して、より進んだ自動化を図っている」そうだ。
 中国は、ロックダウンによるマイナスの影響を何度か経験しているものの「業績としては、決して悪くない水準で横ばいをキープ。オープンから1年が経過した蘇州工場&ショールームでは、中国・南部の日系や欧米の顧客を中心にプレゼンを実施。サンプル品のテスト加工で、信頼を得られるよう努めている」。
 産業では自動車関連へのいっそうの浸透を目指す考えで、大連工場を継続しつつ、蘇州工場を拡大させていく計画だ。
 創業から10年を迎えるタイでは、国内製造業の好調さも反映して、再研磨事業が軌道に乗り、増収増益を継続中。
 「営業技術力の向上も伴うなか、工具販売と再研磨とのシナジーが奏功してきた点が大きい。日本からCNC工具研削盤をこれから移設し、特急対応でもアドバンテージを発揮するようにしていきたい」。
 ベトナムは、再研磨を手がけていく準備段階に入った。
 「ハノイを中心に、既に顧客を開拓し、再研磨を受注して、外注で対応するようになっている。再研磨を自前でできるよう、タイからのフォローも早い段階で具体化させていきたい。これが当面の目標となる」。
 最後になるが、名古屋工業大学との間で進めてきた工具開発の現状はどうだろうか。
 「ユーザーを選びながらインサートチップの販売をスタートさせた。現状では、アルミ系の加工で成果を上げつつあり、量産化への道を模索していく段階に入っている。レーザードーピング(LD)という、工具素材内部の組成を変えていく手法でチップを硬化させ表面粗さも向上していく技術がノウハウ。DLC以上の効果があり、形状や大きさ、材質を選ばない」そうだ。
 今後は工具以外の分野での商品化を目指している。