機上測定ニーズが普通に。ブルームノボテストの需要拡大の最大要因。人手不足対応にもメリット大。

ブルーム-ノボテスト株式会社

ブルーム-ノボテスト株式会社

山田社長

2023年の幕が上がった。機上測定の新たな需要を予測するため、この分野の最前線で活躍するブルーム-ノボテストを訪問して、山田社長に市場へのアプローチ、取り組みを聞いてみた。

 省人化、生産性向上を視野に入れた機上測定への需要拡大は無視できないだろう。
 山田社長は「もちろん、様々な要因が指摘できようが(機外ではなく)機上での測定が、普通と捉えられるようになってきた、ここに需要拡大の核心があると思う。そして、並行して技術的な機能面での充実がより、求められるようになってきた」と語る。
 昨年のJIMTOFでは、大手工作機械メーカー5社とタイアップし、最新のレーザー測定システム「LC50-DIGILOG」を工作機械に搭載し「何ができるか」をアピール、認識を一段と高めていく機会を設けた。
 機能面での特長に少し、踏み込めば、工具のタイプ、形状、材質を問わず、非接触で、その特徴の測定が可能なほか、刃先摩耗などの形状変化を検知し、プロセスによって統合された温度補償によって部品精度の安定をもたらし、主軸熱変位と回転円誤差を確実に補正していく。さらに自動振れ検知による工具ホルダの不良や汚れをも検知する能力を備える。
 「各ブースで工作機械に搭載、披露した反応で目立ったのが海外勢からの問い合わせ。特に機上測定の市場浸透度の高い欧州からの関心の高さをうかがわせた」ことが、ブルームの日本での活動への評価にも繋がった。
 また、山田社長は「JIMTOFの場で搭載して頂くに当たって、工作機械メーカーの加工技術のメンバーと質問、疑問を繰り返し、積み重ねた経験も大きかった」と振り返る。
 ブルームの日本での活動は、20年以上前にスタートしたが、当時は、非接触式の測定そのものの認知度が全くなかった。それが今では、商社の方からも「ブルームを選べば、間違いない」との評価が下されるようになっている。
 「顧客からの信頼と言う点では、アフターフォローの充実が避けて通れない。機能、サービス、信頼、それぞれが、価格とセットになって手に入る。生産財に期待される構図かと思う」。
 2022年のブルーム-ノボテストの業績は、売り上げベースでは過去最高を更新したものの、世界需要の拡大のなか、円安、人手不足、モノ不足等によって、利益がなかなか伴ってこない現実にも直面した。
 「航空機の便数も、かなり戻ってきた。ワールドワイドでの供給体制が落ち着いてくれば、2023年は新規の拡大を含め、需要への対応も、少しは楽になると思う」。
 2023年中には、販売・サービス拠点の拡充として、トルコ、ベトナム、タイに子会社設立の計画もある。日系企業からの期待も高まっていくことだろう。

JIMTOFブースで案内をされた測定工程の自動化を促す製品群
JIMTOFブースで案内をされた測定工程の自動化を促す製品群