特殊機、専用機が社内シェア4割近くまで伸長
最近のニーズでは、EV化案件、医療関連で具体化へ
松澤営業部長
GTJで宇都宮製作所は、TGR-250αを出展し「ドリルやエンドミルのみならず、ホブ、ピニオンカッタといった歯切り工具についても、デモを通じて新たなイメージを持っていただく機会にしたい」と松澤営業部長は訴える。
実際の取り付けから始まり、段取り替えを経て完成に至るデモによって、工具の製作や再研磨の現場作業に近い状況を演出していく展示を計画している。
「24時間止めずにいかに効率良く加工ができるか。自動車業界との長いお付き合いの中で得た様々な経験も、全自動機に生かされている。ご説明させていただく中で、来場者の方にどのような可能性を感じていただけるか、楽しみにしている」。
最近の需要動向で気になる動きと言えば、特殊仕様と言うことになろうか。
「ロボットやローダー付きといった仕様を手始めに、現在、4割近くが特殊機、専用機で占められるようになってきている。自動車関連では、やはりEV化に絡むニーズが発生しており、すでに課題を頂いている。解決に向けて形にしていく段階だ。また、医療関連の比重が少しずつではあるが拡大してきており、TGRをベースとした特殊仕様機を提案させて頂いているが、プログラミングへの評価も非常に高い」。
このほか、JIMTOFで参考出展したTGR-250αのバリエーションとしての全自動インサートチップ研仕様も好評を得ている。
「GTJでは、全自動機の実績をベースとした、特殊対応のレベルの高さも体感頂ければと思う」とのアピールは無視できない。
ところで、品質保証という観点から、測定についての進展はどうか。
「レーザーや投影測定に加えて、画像測定についても、顧客からの意見を頂戴しながら、順次、開発を進めている。後発になる分、満足して頂ける仕様になるかと思う」。
随分と緩和されてきたが、コロナ禍での営業活動には様々な制約が伴ってきた。
「フォローの一環でもあるが、YouTube動画は、工場のスタッフを中心に、制作にあたっている。手前味噌ではあるが、非常にレベルの高い動画となっている。営業としては、もっと広めていく必要がある」との認識も。
宇都宮製作所の今期の状況は自動車業界の生産変動等の影響もあり、コロナ禍前の水準にはまだ達していない。
「新規需要の掘り起こしが重要。様々な業界、分野に当社をもっと知って頂きたい。5軸NC機という特性を踏まえると、工具研削盤に留まらない可能性も展望できる。新たなアプリケーション追求にも注力していきたい」。
トピックスとなるが、今年の10月には創業100周年と言う大きな節目を迎える。どのような「祝い方」を追求するか、楽しみだ。
昨年のJIMTOFの様子