ドリルに注力し「穴あけなら菱高精機」目指す。
来期の目玉は南海トラフをも考慮した高知工場の高台への移転。
町田専務(右)と川原センター長
GTJ(Grinding Technolgy Japan)ブースに菱高精機の町田専務、川原センター長を訪ね、工具の需要動向の特徴や再研磨機EPSILONの手応え等について取材した。
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今期の業績は2021年度比売り上げ10%アップで着地できそうだと言う。
町田専務は「ただ、自動車生産の落ち込みの影響で、コロナ禍前の2019の水準には到達しそうにはない」としながら「弊社の今年のトピックスとしては、高知工場が2度の浸水を経験しているため、移転を計画。高さで比較すれば、海抜6mから海抜200mへの移動となるが、南海トラフへの備えも考慮している」。
内外装を整えて、移転は6月辺りになりそうとのことだ。
菱高精機は、ドリルやリーマをはじめ、カッターやBTA工具、裏座ぐり用工具など、軸物工具を主体に生産している。現状では、汎用3、特殊7の割合で、特殊対応では、径60ミリといった太径を得意としており「併行してロウ付け技術の能力アップに努めていきたい」(町田専務)。
ブランディングの点では「クリスタルドリルなど、ドリルに力を入れていき『穴明けなら菱高』を浸透させていきたい」と言う。
一方、再研磨機EPSILONを巡る動向で、川原センター長は「2022年度前半は、需要が低迷して、動きが不活発だったものの、昨秋開催のJIMTOF出展以降、引き合いが発生するようになり、年初から自動車業界以外のユーザーさんを訪問するようになった」そうだ。
自動車業界からの横展開が期待できそうで「食品や医療など、刃物を研ぐ需要からに問い合わせも着実に増えており、今後はそのような裾野の広がりを展望していきたい」との抱負を語る
EPSILONを扱い始めておよそ10年。リピーターは着実に増えてきており、1台から2台、さらには3台へと、リピートが発生しているケースも珍しくない。
「予算関係で、価格メリットのあるEPSILON・Qについても検討頂く機会が多くなってきた」ほか「EPSILONの隣に設置して、すぐに計測できて便利、との評判のJUST SCOPEについても、セット購入の提案を継続させていきたいと思っている」。
やはりリアル展示会に勝るものはない、との認識が前提にある。
「その後は、必ず、引き合いが発生する。展示会を活用しない手はないと思う」と川原センター長は結んだ。
GTJでのアテンドの様子