幕張メッセでも「バリの出ない不思議なドリル」アピール
ギケンが提案するゼロバリを実演で体感
実演の状況を説明する石川社長
大阪、千葉、名古屋・・・直近、二か月足らずの主要な展示会を概観しただけでも、ギケンによる出展頻度とその行動範囲は半端ではない。テーマはもちろん「バリの出ない不思議なドリル」だ。
千葉の幕張メッセで開かれていたグラインディング・テクノロジー・ジャパン(GTJ)では、小紙も参加。3日間の開催期間中1日3回に及んだ「バリの出ない不思議なドリル」の実演を取材する機会を得た。
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CFRP用のドリル作りを福井県から依頼され、求めに応じて、サンプルを提供し「素晴らしい」と絶賛された。福井県にギケンが進出するきっかけとなり、設立は平成24年9月になる。
実演に当たって石川社長は「加工現場から様々なニーズが発生しているが、バリをどうにかしたい-は古くて新しいテーマ。通常は、センタリングしたあと、ドリルで穴をあけ、バリを取って、リーマで仕上げていくという4工程。弊社では1工程でこなせる。しかもH7の仕上がりだ」と工程短縮効果と高精度をアピールするとともに「ワーク、そしてドリル自体にも負荷があまりかからないことから、工具寿命が30倍にも伸びる」と訴えた。
負荷を分散させながら、抵抗を少なくして穴をあけていく。
「進行方向に負荷がかからないため、薄板でもたわまない。ドリルが滑らないため、半割れ加工も可能だ」。
実演では、アルミ用のゼロバリXを用いてアルミのパイプ(A5052、外径32ミリ、内径28ミリ、肉厚2ミリ)をおよそ30度傾けてセンタリングなしで穴あけを遂行。2穴半かけでも曲がらずに行えた。
「バリが出ない=安全性の高い部品ができあがるばかりか、バリ取りの手間が省けるため、人手不足にも対応している」とその効用の広がりを石川社長は説く。
モニターを通じて加工の様子がうかがえた
実演のモデル。2穴半かけでも曲がらずに穴明けが可能
ブースにも多くの人が訪れた-