実機常設し、テストカット対応のメリット活かすフォルマージャパン。設立以来初の売り上げ10億円突破
モーサー社長
3月8日から幕張メッセで開催されていたGTJ(Grinding Technolgy Japan)のフォルマージャパンブースを訪ね、モーサー社長、亀谷セールスエンジニアに面談。昨年から本格始動した埼玉・上尾市のショールーム付き新社屋の顧客からの反応をはじめ、出展機の「VHybrid260」「Vgrind340S」のアピールポイント等についてヒアリングを行った。
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フォルマージャパンは設立22年を迎えていると言う。
モーサー社長は「需要の追い風にも助けられ、前期は設立初の売り上げ10億円の大台を突破した。ショールームを併設した新社屋誕生効果も大きいと思う。セミナーの開催をはじめ、実機の確認ほか、テストカットにもトライできることから、直接、購入機会に繋がり、少しずつではあるが、受注に結び付いてきている」との、ショールーム併設のメリットを指摘する。
亀谷セールスエンジニアからはテスト加工に関連し「従来は日本ではできなかった。しかも、テストワークを預かり、ドイツ本社に送って、結果がわかるまでに2カ月から3カ月を要した。テスト機が常備されていることのメリットをお客様が感じ始めており、この点は営業にとっても大きなプラスだ」と顧客満足度アップの点に触れてくれた。
GTJでの出展機は、研磨と放電を1工程でこなす超硬、PCD工具向けの「VHybrid260」と小径工具用の「VGrind340S」の2機種。110年以上の機械づくりのノウハウの蓄積をベースに2017年から工具研削盤がラインアップに加えられ、販売の上でも次第に社内シェアが上がってきたと言う。
「VHybrid260は、2本の研磨スピンドルを垂直に配し、上側が研磨加工、下側では研磨・放電加工に対応する。多品種小ロットを志向する現場があるかと思えば、量産が期待される現場もあり、お客様から見たマシンへの要望には、複数の選択肢が想定でき、その両方を叶える自動搬送装置も備える。ソフトウエアはMTS社製を搭載し、放電加工の自由度は非常に高い」。
一方、小径工具向けの「VGrind340S」は大手工具メーカーへの採用がすでに始まっている。
「直径0・3ミリ~の超硬ドリルやカッタ製造向けの5軸加工工具研削盤。ソフトウエアはスイスのNUM社が提供する加工自由度の高いnumrotoを採用する。機械は熱変位の少ないポリマーコンクリートを標準採用し、軸構成も他社に見ないユニークなコンセプトで作られている。自由度の高い加工は、ソフトウエアだけでなく、機械剛性の高さがマッチして初めてその能力を発揮する。小型ワーク加工の量的拡大に照応し、小径工具需要の高まる日本市場にあって、認知度を挙げつつ、普及させていきたい」。
このほか、今回はパネル展示となったが、レーザー加工機「VLaser370」も案内されていて「研削、放電、レーザーと、工具製作にかかわる弊社の加工アプリケーションは幅広い。一度、ショールームに足を運んで頂き、貴社の悩みや相談ごとをお聞きしつつ、解決できる方法を模索できれば」と訴えた。
VHybrid260
フォルマーのGTJブースには多数の来場者が足を運んだ