「4年で総生産量は40%~50%アップ、増員は2%~3%」の自動化、」無人化の実績上げるTHK山形工場
保延工場長インタビュー
保延工場長
少子高齢化が加速する日本において、ヒトに依存しないものづくりの推進は、今や不可避的な流れになっている。THKの取り組みは、どうか。寺町社長による「号令」のもと、自動化、無人化に取り組み、成果を上げている好例として、THK山形工場を案内され、このほど訪問。保延工場長へのインタビューを軸に成果の一端を紙面化してみた。
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山形工場が位置する、県南西部の東根市は、サクランボなどの果樹栽培で有名なエリア。現在、国内外最大規模の敷地面積いっぱいに10万平方メートルを超える面積の6工場が配置され、ミニチュアLMガイド、転造ボールねじ、アクチュエータなどを生産する。
「1991年に第1工場が竣工し、山形工場がスタートを切った。6工場のうち、第4~第6工場は、2019年4月に竣工した、最も新しい工場棟。2017年末に増設の指示を受け、具体化したものだが、予想を超える高い需要への対応ばかりか、将来に備えて翌年の2018年初めには本格的な自動化、無人化工場を構想。レイアウトもこの点に配慮して計画され、着工へと駒を進めた」。
生産量では3倍を目標に設定。供給面では、特にアクチュエータの増産が課題に挙がっていた時期と重なり合っていたと言う。
「製品別に需要層をなぞれば、ミニチュアLMガイドは半導体向けがメインで、ボールねじ関連は搬送系、そしてアクチュエータは、自動化装置やロボットハンド用などが占める。自動化進展のイメージとして掴んで頂きたいのが、2018年と2022年の比較で、この4年間で山形工場の生産量が40%~50%増産されているのに対し、2%~3%しか増員していない。増産対応は無人で、との考えが実践に移され、着実に成功を収めてきている」。
「工場全体の主要設備の過半数で、すでに何らかの自動化対応が採られているほか、工場内の運搬においても、弊社関連製品である搬送ロボットSIGNASが活躍している」。
工場案内では、手始めにLMガイドの組み立て工程、その構成要素となるブロックおよびレール加工工程へと足を運び、加工・組み立てほか、検査なども含め全工場の概況説明を受けた。
「第4~第6工場には特に自動機を集約して無人化を強めていきたい」。
機械の稼働率の見える化も図られている。
また、CO2削減を意識した、電気を自前で、との観点から、太陽光発電が採用されており、昨年末時点で必要電力の20%が賄われ、今後もさらに増設が計画されている。
自動化を徹底的に推し進めている
搬送ロボット「SIGNAS」が活躍する