メカトロテック必見、超高速リーマ、CSOFR-P、栄工舎

株式会社栄工舎

株式会社栄工舎

山下大阪営業所長

栄工舎の山下大阪営業所長を訪ね、今期に入った5月以降の経緯を後付けてもらいつつ、迫ってきたメカトロテックの見どころを聞いてみた。

 工具の国内需要が冷え込んでいるなか、顧客の協力を得ながらも、栄工舎の標準品も、その影響を受け、わずかではあるが減少傾向にある。
 「反応の高かった特殊需要も、トーンダウンしており、問い合わせも少ない。名古屋以西の特徴は、Tスロットカッタやキーシードカッタなど、カッタへの反応が高いことだ」そうで「名古屋方面の販売店との同行PRでは、ライン対応として、球面カッタへのニーズも感じられる」と言う。
 メカトロテックのひとつの見どころは、昨秋のJIMTOFでの参考出展製品が新製品として「デビュー」することだ。
 「今回の新製品で最も注目して頂きたいのが、超高速加工用リーマ『CSOFR-P』。一般鋼を対象とした、切削速度300m/min、回転数1万2000回転、送り速度1万4000という、ドリル並みの高速仕様を備えるリーマだ」とのイチオシ新製品をアピールしながら「参考出展した昨秋のJIMTOFでお声がかかり、自動車関連向けの量産ユーザーにPRに伺う機会を得た」注目の新製品と言える。
 現在、アルミ加工向けの「超高速加工用リーマ」も開発、テスト中だそうで「計画ではメカトロテック開催までにラインアップしたい」としつつ「ほかにも参考出展すべく準備を進めている」と興味を惹く話題も。
 ショート刃需要も堅調さを持続させており、新製品のテーパーピンリ―マ「S-TPR」は要チェックだろうか。
 このほか、半導体需要とも関連する、超硬R面取付Oリング用アリ溝カッタ「OACR2」が寸法拡大され「小径加工向け」を充実させている。
 「アルミ、樹脂、高硬度といった被削材別のカッターシリーズや超硬樹脂用リーマは、リリースから数年が経過しているものの、コロナ禍明けという環境の変化を受け、アピールを本格化させていきたい新製品。メカトロテックを活用しない手はない」と意気込む。
 11月1日からホームページの刷新というのもニュースとなろう。
 「弊社の取り扱いは5万アイテムに上る。半端ではない。従来から課題だった『検索しやすさ』に配慮し、利用頻度を上げて頂けるよう工夫を凝らしていく。ご活用願いたい」。
 メカトロテックはアピールする場であるばかりか、来場者と密に触れあい、情報を収集し、次なる工具開発に繋がる機会ともなる。
 「超硬やハイスに関わらず、コーティングに関する知見や、被削材に応じたダイヤ需要にも興味がある。忙しさに追われている状況ではないだけに、普段できないことにもトライしていきたい」とリアル展示会開催への期待は大きい。