新製品の極小径加工用工具研削盤「DB1」を披露。牧野フライス精機がφ0・03ミリ~対応
SS7の後継機としての位置づけ
清水社長
牧野フライス精機の清水社長を訪問し、上半期の業績の特徴を後付けてもらいつつ、開幕目前となったメカトロテックでの見どころについて取材を試みた。
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2023年に入って以降、工具メーカーからの需要に落ち着きが見られるようになってきた。
「昨年までは、フル生産で対応してきたが、年明け以降、そのテンポは、弊社にとっての『巡航速度』に落ち着いている。ただ、最近になって、引合い件数も徐々に回復しつつあり、受注への『起爆剤』とすべく、メカトロテックを活用していきたい」との意欲を示しながら「ブースでは新製品となる高精密CNC極小径工具研削盤「DB1」を披露させて頂く。SS7の後継機に位置付けており、駆動方式に弊社初となるリニアモータをX、Yの各軸に採用した。対応するレンジはφ0・03ミリ~φ4ミリで、SS7(φ0・05~φ3)に比べ、適用範囲を広げた」という、新たな提案に言及した。
工具長では最大100ミリ、砥石軸50番・5・5kWの出力で、回転軸にはダイレクトドライブモータを採用している。横幅1920ミリと言う設置しやすい省スペースも魅力だろうか。
このほか、大型窓の採用やローダを機械正面右側に配置することによって、視認性の向上、ワーク交換時間の短縮にも配慮している。
「弊社工場においてφ0・1ミリR0・05のボールエンドミル110本を製造したところ、外径、Rサイズ等にほとんど変化が見られず、安定した加工が確認できた。ブースでは、DB1の動きをエアーでご覧いただくが、各種小径工具のサンプル展示も行う計画。是非、手に取って、ご確認頂ければと思う」。
需要が拡大しつつある極小径工具への更なるコミットとなろう。当面は、SS7との併売になるようだ。
また、ブースでは、無人化への対応として、AGE30FXにmonocam2と新スケジューリングソフトであるスケジュールマネージャスペックTを組み合わせた提案を行う。長さの異なる多品種工具の突き出し量を自動調整しながら連続加工を行い、さらにmonocam2による先端Rや外径測定、そしてドリル刃先のホーニング加工デモを行う。このほか、卓上型工具測定器「pomMZmicro」、測定値を牧野フライス精機製ソフトウェア「MSPS-Ⅱ」に転送可能な砥石プリセッタ「PMZ-2」を出品する予定だ。
「砥石測定から工具研削、そして測定までの、工具製造に関わるトータルな場として、ご体感頂きたい」と清水社長は締めくくった。
迫力ある試削りシーン
ローダーを右側に配置した