二次加工専門に取り組む中原精密(静岡県駿河区)-ユキワ精工ユーザー訪問-
スーパーG1チャック活用でチタン加工の工具使用量が半減
タップの折れもなくなる
岩崎社長(右)と鈴木オペレ―ター
二次加工専門に取り組んで30年以上になると言う中原精密を訪問した。
1989年(平成元年)に入社した2代目となる岩崎社長は「およそ50年前に腕時計の二次加工で創業した。一次加工で精度が出ない場合や複雑加工への対応が得意で、システムとして二次加工ができる会社との認識を持って頂ければありがたい。現在は、医療分野にシフトしつつあり売り上げの3割、次いでチップマウンター関連の半導体製造装置関連で2割と、この両分野で半分を占める」と語る。
加工ワークは「握って隠れるくらいの大きさ」が中心で切削加工分野は月産500個以上。φ5ミリ以下のドリル、エンドミル、リーマの加工ほか、M2クラスのタップ加工で差別化している。
「マシニングセンタは、ファナックのロボドリルを12台設備しており、最近では10月に初めてブラザー工業製スピーディオを導入した」。
ワーク素材はチタンとステンレスで9割を占める。振れは「1ミクロンを切る」を目標に設定しており「±100分の1の公差は、難なく対応できる」と言う。
「ユキワ精工のツーリングとの出会いは、リーマ加工で『嵌め合い公差P6』へのトライを展開していた2020年ごろ。月産何万個と言う単位で受注していたが、他社ツーリングでは、この精度が出せず、取引商社に相談したのがきっかけだった」そうだ。
「スーパーG1チャックは、従来のツーリングと全然、違う」とは、オペレーターの鈴木さんの第一声で「求められる精度が難なく出せた」と言う。
「タップ加工ではM1~M2が多いが、タップの折れもなくなった。ツーリングを変えただけなのに可能になる世界もあることを実感した」とその効用の魅力を称える。
現在、スーパーG1チャックは、30本以上、活用している。
改めてオペレーターの鈴木さんに話を伺うと「とにかく振れ精度の高さが際立つ。いろんな加工で工具寿命が伸びたが、特に弊社のメインを成すチタン加工で2倍以上の成果が出ている。また、振れの調整が不要なので、ツール交換がとてもラク。今後は、機械の回転数を1万回転にまで上げ、スーパーG1チャックの可能性をさらに追求していきたい」とのビジョンを語ってくれた。
中原精密で目立つのは女性スタッフの多さ。30人以上を占めており、家事と両立させつつ、確かな戦力を手に入れている。
既存のツーリングと全然、違うと絶賛する鈴木オペレーター
女性スタッフの姿が目立つ