セラティジットがインド・バンガロールで初のアジアパシフィック会議。ジャパンの来期の計画では売り上げ5%アップ目指す(馬場社長)

株式会社 CERATIZIT Japan

株式会社 CERATIZIT Japan

ルクセンブルグでのワークショップを終えて(中央が馬場社長)

2月と言う、今期末を迎えるタイミングでセラティジットジャパンの馬場社長を訪問した。

 「今期は、想定内とは言え、売り上げベースで前期比5%減少を見込んでいる。金型・耐摩関連は、計画よりも良かったが、超硬丸棒素材、木工、石工関連の落ち込みを補完するまでには至らなかったからだ」。
 昨年の11月以降は注残も減少傾向を辿っていった。
 「後半戦の落ち込みは予想以上で、結果として、在庫が積み上がった面が否定できない。その最たるものは巣ごもり需要の過剰対応で発生した在庫消化に苦戦する電動工具分野及び中国市場向け製品の落ち込みで、予想以上に低迷した」。
 切削工具の分野はどうだったか。
 「具体的には、コメートの動向になるが、前期比では横ばいで推移している。当グループにとって、工具販売を強化し、伸ばしていきたいのが本音で、そのためにも増員して、マンパワーを確保していきたいと思う」。
 話は変わるが、馬場社長は、1月にルクセンブルグでワークショップ、その後、インド・バンガロールで昨年創設されたアジアパシフィック初の会議に参加していた。
 「ルクセンブルグでの話題として、当グループの合金素材の年間焼結量の話をさせて頂くと、ルクセンブルグで1800トン、オーストリアで1200トン、ドイツで数百トン、CBセラティジットで3000トンの規模となっている」「アジアパシフィックの責任者はセコツールの出身で、昨年の5月に着任。インドでの会議では、アセアンでの当グループの認知度アップが課題になった。また、個人的な話になるが、議論の中で、日本の物価の『安さ』を実感した次第」とコメントする。
 セラティジットグループに共通する課題として、システムの構築を通じた受発注の体制確立が課題に挙がっている。
 「コロナ禍の3年間で、リモートワークが定着し、仕事を進めていく上での感覚が変わってきた。結論が出るのに、これまで以上に時間がかかることも増えてきた。システムの進化が著しいのに、商品そのものには大きな変化はない。そのギャップを痛感する」。
 最後に来期の計画をどのように立てていくのか。
 「市況環境は決して良いとは言えないが、地球規模で課題に挙がっている、脱二酸化炭素への取り組み、およびPRは継続していく。売り上げでは2022年レベルを目標に掲げた。忍耐が要求されるだろうと思うが、顧客満足度向上に向け、マンパワー増強を軸に社内体制の充実に力を割いていきたい」。