フォームコントロールによって、工作機械を測定機に変えるーブルーム-ノボテスト。「今年後半からの受注に期待する」(山田社長)
創立25周年迎え、11月には記念式典開催
取材に応じてくれた山田社長(左)と朝尾経営企画室長
ものづくりの現場で求められる工程集約、自動化、デジタル化等の進展によって、機上測定を促す環境が整えられつつある。
山田社長は「機上測定は、工作機械が担う、当然のプロセスとして受け入れられるようになってきた。熟練作業者が減少し、多品種小ロットの加工が増えてくる中で、工作機械自体によって、品質保証まで手がけていく。フォームコントロールXの活用によって、工作機械を測定機に変えることができるばかりか、ヒトが介在しなくても測定が可能となるメリットは、有効な人的活用を図る上でも重要と判断している」と訴える。
フォームコントロールXは、単品、量産を問わず、加工間、加工後の測定モニタリングに留まらず、記録されたデータに基づく工程管理、ワークをクランプしたままでの補正、追加工を可能とすることで、生産性向上、不良の低減を実現していくマシニングセンタ用のソフトウエアだ。昨年のEMOショーで発表され、欧州を中心に実績が積み上がってきた。日本では4月に開催されたインターモールド大阪で「デビューを飾った」ことは記憶に新しい。
「記録されたデータによって、不良が発生した場合の原因の究明、把握にも役立てることができ、現場の改善を後押ししていく手立てともなる。自動化を推進しつつ、不具合があれば、復旧へのプロセスを辿っていくことが可能となる。不良率ゼロへの新たな模索とも言えようか」。
機上測定は、この10年間で急速に「市民権」を得た。
「知っている人は格段に増えた。今後は、いかに現場に浸透させていくか、より良く使って頂くか。弊社スタッフの半数は、サービス経験、技術を伴ったメンバーであり、据え付け時の操作説明や打ち合わせを通じて、要望の把握と具体的な提案も行える。是非、お声がけをお願いしたい。今後は、さらに経験と知識をブラッシュアップさせていく考えだ」。
面談の途中だったが、将来を見据えていく話でもあったためか、山田社長は、経営企画室の朝尾室長を呼んだ。
朝尾室長は「サービスを実践していく部隊として『エンジニアリング』チーム、現場の困りごとにソリューションを提供する『プロダクト』チームをそれぞれ今年1月から発足させた。モノ売りではなく、コト売りの大切さが重要視される時代を迎え、弊社でも、マシンとソフトウエア双方を得意とする人材の教育、育成に経営資源を今まで以上に投入していきたい」と意気込む。
現場の困りごと解決には、ユーザーサイドで獲得した個々のアプリケーションの把握も重要になってくるだろう。
2024年も、5カ月が過ぎようとしている。山田社長は「機上測定は、工作機械の出荷に合わせて、納入されるツール。これまでの推移から見て、今年後半からの受注に期待している」と述べるとともに「弊社は、おかげさまで創立25周年を迎えることができた。JIMTOF開催期間中に、記念式典を計画し、その場で、次代に向けたビジョンを発表できればと思う」と締めくくった。