9月10日で創業55周年迎える日本特殊合金。「客先を積極的に訪問していこう」(中原社長)
中原社長
日本特殊合金を訪問し、中原社長に現状と方針をヒアリングしながら、反応のいい注力製品等について取材した。
◆
今年度は客先を積極的に訪問していこう‐
コロナ禍が明けて1年が経過するなかで、中原社長は、リアル面談の機会の活用を改めて社内で呼びかけている。
「合金素材の新製品であるSCPTをはじめ、P種やサーメット素材といった弊社の差別化製品を十分にアピールできなかった反省がある。膝を交えたニーズの把握、相談事に対応していくことによって、リピート率をアップさせつつ、新たな需要を発掘していきたい」。
前期比で見た売り上げは1割減と言う。需要の落ち込みに比べれば「健闘した」との総括も可能ではないだろうか。
「コールドソーの分野が堅調で、耐磨関連も悪くない。とりわけ、丸鋸向けチップは、総じて落ち込みを余儀なくされるなか、プラスに振れた数少ない分野だった。売り上げ1割減をどう見るかは議論があるが、既存顧客からの評価に助けられた点は大きいと思う」と振り返る。
円安の定着による材料費等のアップと利益率への影響は避けがたい。
「円安は悩みの種ではあるが、目先だけに囚われず、QCDをしっかりとやり遂げていく。折しも、弊社は今年9月10日で創業55周年を迎える。長年にわたるご愛顧に感謝しつつ、リセットの年と捉え、邁進していきたい」。