国内は利益体質強化が促進したシー・ケィ・ケー。材料費高騰、人件費上昇の中、特にメリット大きい

C.K.K株式会社

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リアル会合が増えてくるなか、澤田社長が挨拶する場面も

工具研削盤や測定機などへの投資一巡によって、国内の生産体制は従来比50%以上の能力を獲得したシー・ケィ・ケー。
 澤田社長は「原材料の高騰や人件費の上昇という環境下にあって、生産性をアップさせ、利益体質の強化を図れたことは大きい。アメリカの大統領選や日本の政治不安は気になるところだが、超円安による業績への影響等は、あまり受けていないのは不幸中の幸いと受け止めている」と語る。
 年齢による退職が徐々に出てきて、マンパワーの補強と言う点でも、設備投資効果は否定できないだろう。
 海外に目を転じてみよう。
 中国・大連工場ではコーティング装置の移設を通じて、納品の短納期化はもちろん、テスト加工でも優位性を発揮し、他社からの切り替えを促進させていく考えだ。
 「現在、中国のローカルユーザーに浮揚感は見られないものの、(顧客との)打ち合わせでは、研磨+コーティング機能をアピールし、シェアを上げていくことで、景気回復期にはまとまった数字が付いてくるようにしていきたいと思う」。
 6月に決算を終えたタイは、売り上げは前期比アップ、利益体質強化の点でも前進していると言う。
 「現時点では、現地の市況とは別に、海外で最も勢いのあるのがタイ。ワルターのCNC機2台を日本から移設、再研磨部門はすべて内製化し、汎用機しかなかったときに比べ精度の安定の面でも評価が高まっている。さらに製造工具への需要喚起の点でも、CNC機は不可欠の存在になってきた」。
 ただ、今年に入って量的に再研磨は減少してきているそうだ。
 最後にベトナム(ハノイ)については「試行錯誤を繰り返してきたが、再研磨は外注し、弊社の工具販売を軸とした商社機能に特化して事業を進めている。スタッフは全員、ベトナム人」との現状を語る。
 名古屋工業大学との共同事業として、本紙でもフォローしてきた工具の刃先強化を促すLD(レーザードーピング)事業は、マシンが完成を見たことで、受託が徐々に増えつつあり、弊社の工具にも適用を図っていくことで、LDを適用した商品化を促進していければと考えている」。
 LDによって工具の寿命が伸びれば、工具交換時間を減らすことができ、省段取り、人手不足への対応にも扉を開いていくことになる。
 「国内外の工具を取り巻く環境は、決していい訳ではない。ただ、弊社にとっては、売り上げよりも利益確保とという面で、進展を図れたことが自信に繋がっている」。


タイ工場に導入されているワルター機。今では差別化のポイントとなっている