セールスポイントは「一括受注・一括生産」。精密部品加工で評価高まる和(ヤマト)コーポレーション(長岡市) ユキワ精工スーパーG1チャックの活用で刃物の折損解消、Ra0・2レベルの鏡面加工も可能に

株式会社和コーポレーション

株式会社和コーポレーション

取材に応じてもらった伊比製造リーダー(左)とオペレーターの五十嵐さん

5棟から成る加工工場のひとつで、小型、高精度、精密部品を扱う第8工場にお邪魔した。
 山口総務リーダーは「弊社のセールスポイントに挙げているのが一括受注・一括生産で、設計~加工~組み立てまでを1社が担うことによる、コストはじめ、納期や品質管理等で、(顧客に)メリットを享受頂いている」と語る。
 第8工場の責任者である伊比製造リーダーによると「この現場では、医療系や半導体関連などの小物精密部品の加工が多く、被削材はチタンやインコネル、モリブデン、ステンレスといった難削材を筆頭に、銅、アルミ、鉄など多岐にわたっている」と言う。
 研削でやるべきレベルを切削に拘るというのも、特徴に挙げられようか。
 ロット数で見れば、月に100個~200個という量産と1個、2個という単品の、2つの流れがあるが「2カ月先まで予想できる仕事を、内容に沿ってスタッフに振り分けている。総じて、ミクロン台の公差が求められる単品受注が多い」。
 設備ではミーリング機能も備える複合旋盤が多用されており、なかでもオークマのマルタスBシリーズ、Uシリーズの活躍が目立つ。
 「ワンチャッキングで、ミクロン台の繰り返し精度を保証してくれる。複合加工機ではオークマに対する信頼性は高い」。
 ユキワ精工との出会いは昨年の11月。ユニオンツール見附工場で実施された合同セミナーへの参加が機縁となった。
 「その頃、医療系部品のモリブデン加工で、剛性面の課題や刃物の折損等が発生する案件を抱えていた。オークマの複合加工機を剛性面で補完できるツーリングはないか、そんな問題意識で参加させて頂いた」。
 セミナーでは、メーカーからの推奨もあり、スーパーG1チャックに着目。提供されたテストサンプルを持ち帰った。
 「テスト加工では、オークマのマルタスBシリーズに、ツーリングだけをスーパーG1チャックに替えてφ2ミリ・60D、φ3・5ミリ・50Dのドリルで検証した。従来は2回に1回は工具が折れてしまっていたが、スーパーG1チャックの振れ精度の良さが決め手となって、プラスマイナス1ミクロンの公差を折損することなく、100%成功に導いてくれた。精度面の保証とともに、工具破損回避による生産性向上、工具代の節約に繋がる利点に感謝しない訳にはいかない」との評価を下す。
 今年6月から、スーパーG1チャックを本格的に使い始めた。
 「顧客からの切削面への要望は高かったが、Ra0・2レベルの鏡面仕上げが追求できるようになった。もちろん、工具の折損はない。現時点でスーパーG1チャックは8本導入している。受注内容によって、横展開できる可能性は高い」と伊比リーダーは締めくくった。


スーパーG1チャックの活用でロングドリルの折損解消。併せて鏡面仕上げも可能に