スーパーG1チャックの活用で、工具寿命20%伸長。送りを上げても仕上げ面がきれい(埼玉・有木製作所)

有限会社 有木製作所

有限会社 有木製作所

スーパーG1チャックでサイクルタイム短縮、工具寿命20%伸長などの成果を出す有木社長

タレット旋盤から自動盤を経てマシニングセンタの活用へ‐創業50年以上の時を刻む有木製作所の仕事内容の変遷を、設備面からフォーカスすると、大枠では、このようになるらしい。
 3代目となる有木社長は「弊社はまさに家業。祖父がタレット旋盤を活用しながら自転車の部品加工などを生業として50年以上前に起業、2代目を継いだ父が平成2年に法人化して、自動盤とマシニングセンタを活用し、裾野を広げ、現在は、マシニングセンタを駆使した仕事内容にフォーカスするようになっている」と語る。2年前の2022年に父からの「バトン」を受け、代表となったそうだ。
 仕事の確保及びその内容ついては「商社を含めた地域の繋がりで交流のある4社、5社からの受注が基本。1ロット100個~400個がメインで、量的には1カ月~3カ月分はある。アルミの表裏加工が多い」。
 マシニングセンタ主体の現状の設備を紹介すると、オークマ(40番主軸)ほか、ブラザー工業製スピーディオ4台に、5軸仕様のロボドリルから成る。
 「大物部品やステンレス加工はオークマも駆使するが、スピーディオを軸に今年2月に導入したロボドリルが大半の仕事をこなしている。ワークは基本的に手のひらサイズ。この点からも30番主軸がベストだ」。
 ユキワ精工のツーリングに接する機会を得たのは2022年、4台目となるスピーディオ導入に際しツーリングを検討したことがきっかけ。
 「取引商社に相談しところ、価格面も含めて、勧められたのがユキワ精工のスーパーG1チャックだった」。
 導入後は、ユキワ精工の担当営業マンの方に、突き出しの長い場合の加工法や(切削条件を上げて)ビビリが発生したときの対処法など、親身になって、相談に乗ってもらったと言う。
 「送りを上げても仕上げ面がきれい。サイクルタイム短縮に貢献しているほか、振れ精度の良さが関係していると思うが、従来のツーリングに比べ、工具寿命が15%~20%程度は伸びたかと思う」とそのメリットに言及する。
 スーパーG1チャックは、最新鋭のロボドリルに20本、スピーディオ2台に20本、それぞれ装着され、わずか2年間で計40本が活用されていることになる。
 「補足ではあるが、2月に導入したロボドリルは同時5軸仕様タイプで、埼玉県の原材料価格高騰対策支援事業で採択された。受注の広がりを意識し、5軸仕様の体制が採れるよう、先行投資的な意味合いがある」と将来を見据える有木社長。ものづくりにおける家業の発展と言う基準からも注目したい。


今年2月に導入したロボドリルにもスーパーG1チャックが20本装着されている


スピーディオでスーパーG1チャックのテスト加工を行った