「イスカルジャパン新製品発表会 イン 京都」
最新工具は「LOGIQUICK」シリーズとして結実
新製品発表会
JIMTOF開催前の11月1日、イスカルジャパンは、けいはんなプラザ(京都府精華町)に全国のユーザーや販売店を招待し、ハルパズIMC会長をプレゼンターとする新製品発表会を実施した。
冒頭、挨拶に立った岡田代表は「1970年代、自己拘束式突切工具のセルフグリップの開発・発売以来、切削工具の最新トレンドを常に牽引してきた。売り上げの中から、相応の金額を製品開発に還元投資し、5年~6年の周期で、ニーズに即応した新製品シリーズとして市場に投入。今回は2018年以来のリアルでの発表会となる」と語りながら、イスカルの行動規範を次のように紹介して挨拶を締め括った。「世の中の88%については我々ではどうすることもできない。それを認知・許容したうえで、11%は企業として必ず何かできる。そしてこれまでよりも1%、さらに良くすることで、加工現場の生産性向上と収益アップに貢献していく」。
続いてハルパズ会長が登壇し、「京都の地で新製品発表会を行えることを光栄に思う」と謝意を述べつつ「今日発表する新製品は、世界中の加工現場から情報を収集することで具現化された。我々の新製品開発の目的は、加工現場に課されるニーズに見合ったソリューションを届けることだ」と、新製品開発の姿勢を強調した。
加工現場で人員不足が深刻化するなか「生産性の向上によって、加工現場の収益性をアップして頂くことが我々の最終目標である。その際にポイントとなるのが新製品をどこよりも早く浸透させていくことだ」と最新工具の積極的な採用を訴えた。
グローバルの売り上げの40%が新製品および新規プロジェクト案件で占める実績を捉えても、加工現場からの生産性向上に対する、イスカル新製品への期待の大きさを見て取れる。
常に変化する市場のニーズを取り込み、加工現場に課されるニーズに見合った製品開発を続けたことで生み出されたのが、今回の「LOGIQUICK」新シリーズだ。
紙幅の関係もあり、4製品に絞って紹介していこう。
まず、旋削加工で注目したいのが「QUICK-TURN」。旋削、端面旋削、バックターニング、倣い加工など、全方向の旋削が可能という汎用性の高さに加え、両面6コーナー仕様、高送り加工に対応する。トップクランプとSAFE-T‐LOCK(インサート裏面のV溝クランプ)の採用による剛性の高さも見逃せない。
続いて、オールインワンの多機能ミーリングカッタ―「QUICK‐D‐MILL」。幅広い加工に1本で対応できるため、加工プロセスの最適化により、工具交換および加工時間の短縮に貢献する。インサートは、中心刃と外周刃のどちらにも使用でき、計4コーナーの使用が可能だ。インサート及びポケットには、独自のダブテイル形状を採用し、インサートを強固にクランプする。
5コーナー仕様の突切/溝入/軽旋削加工用工具「QUICK‐PENTA」は、正確な刃先位置と高い繰り返し精度が特長だ。スクリューを完全に外すことなく、コーナーチェンジを可能にし、生産性を大幅アップ。インサート幅は、0・5~3・0ミリをラインナップ。ピンポイントクーラント供給により、インサートの寿命と仕上げ面精度を向上させている。
サイドスクリューロック機構付きの新ヘッド交換式ドリル「QUICK‐DRILL」は、独自のクランプ機構と剛性に優れる設計により、不安定な加工条件下でもポケットにダメージを与えることなく、穴あけ加工が可能。独創的な内部クーラント付きドリルボディーは、最先端の3Dプリンター技術を駆使して製造している。