JIMTOFでも「省段取りと自動化」を提案。放電加工機周辺機器にも注力
アテンドする松本要社長
松本機械工業のブースでは、「省段取りと自動化」をテーマとして、工具レス短時間での爪交換を実現したクイックジョーチェンジシステム(QJC)、爪をNC制御する電気式チャック、そして交換プレートを介して全爪同時かつロボットによる自動交換を実現したオートジョーチェンジチャック(AJC)が提案された。
同社は、世界シェアトップを目指して放電加工機(EDM)周辺機器の分野にも注力している。
「MDHW100L-HCS」 ホルダークラプ機能により精度維持・省段取りに貢献
ツールメーカーからも好評
今回は、①ワイヤ放電加工機用ホルダークランプ機能付きテーブル「MDHW100L‐HCS」、②ワイヤカット放電用片持ち傾斜NCテーブル「SAT100」、③ワイヤ放電加工用傾斜NCロータリーテーブル「SBⅱ170」を出展。
「MDHW100L‐HCS」は、今年5月に開催されたMEX金沢で初出展された新製品となる。PCD及びCBN工具加工用で、ホルダーに工具を付けたまま刃先修正加工ができるため、脱着の際に生ずる精度への影響もなく、段取りの省略にも貢献する。ツールメーカーからも好評を得ているそうだ。
桑本正信営業本部長にJIMTOF会場での反響を伺った。ガラスや石英を加工する台湾の現場から、「肉厚あるワークを加工する際、ワークを接着ボンドでクランプしているそうで手間がかかっているという話があり、バキュームチャックを提案した」そうだ。
また、「幅2~4ミリ、四角形のエアシリンダボディの内径仕上げをする際、ワークが変形する」という困りごともあったそうで、こちらはパワーチャックを紹介したそうだ。
桑本部長は、「展示会は新規の顧客獲得のチャンスであり、ユーザーの問題をキャッチするチャンス、PRのチャンス」と語る。
シカゴショーでは、航空機部品加工用のテーブルやEDM機器に特化した内容とし、航空機のエンジン部品のワークサンプルも展示した。「航空機、医療機器、発電エンジン分野の現場からの来場者があった。円テーブルでは、マシニングセンタ用、研磨用、放電加工用いずれも来場者の反応がよかった」という。
前期は売上ベースで130%アップと好調だったが、売上の4割が海外を占める同社としては、米国・韓国など先行き不透明な経済情勢を不安視している。
最後に「今後も顧客の利益や成果が上がるような製品を製造していきたい」。また、注力するEDM機器については、「欧州にも広めていきたい」と結んだ。