前期は過去最高レベルの売り上げも、原材料高騰で利益圧迫したケミック。

株式会社ケミック

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インターペット会場でアピールする蓼沼社長

犬の涙焼け・目やにに「涙やけとるワン」、口臭予防に新発売の「お口すこやかゼリー」・・・切削油材で積み上げてきた界面活性剤の配合技術を活かして事業の横展開を図るケミックが、4月には日本最大級のペットイベント「インターペット」に出展。ブースで両製品のアピールに努めていた蓼沼社長を訪ね、今期のスタート台に立って、前期を振り返ってもらいつつ、今期の方針を聞いてみた。


 切削油のベースとなる原材料価格の高騰が止まない。
 「前期は、売り上げベースでは過去最高を記録したが、利益が付いてこない、厳しい1年を余儀なくされた」結果を踏まえ「価格転嫁の難しさが利益圧迫の要因となっていた一面もあり、価格改訂が喫緊の課題に浮上している。実施に移せれば、今期からは、その効果が出てくる可能性があると思う」。
 価格の改定幅は現在、検討中とのことだ。
 「説得と納得の交渉は付きもの。価格改訂は予断を許さないが、今年度の私の軸は、幹部を含め、社員に対し、意識改革を進めていくことだ」。
 個々人の教養のレベルアップも視野に入れ「オンラインを活用したセミナーの類から、大学の講義への参加や受講も奨励したい。これまでの自分とは違う気付きが伴ってくれば意識にも影響が出てくることもある」。
 日々の実務の上では、特に幹部を意識した点で「何でもかんでも自分が取り込むのではなく、部下のレベルアップを考慮した仕事の割り振りも大切」になることを徹底させていく。
 海外生産拠点である中国・大連工場は「地消」分が増えており、海外への注力も課題に挙がっている。