安田工業が本社でプライベート開催。2日間で430人超えの来場者。自働化提案核にアピール

セミナーの冒頭で挨拶する安田拓人社長
安田工業は、5月13、14の両日、岡山の本社工場で2年ぶりとなるプライベートショーを開催した。高精度なモノづくりの自働化をテーマとしたセミナーや中国の金型・成形メーカーによる講演をはじめ、組立工場や機械加工工場の見学、キサゲ体験コーナーのほか、来場者は、切削工具やツーリングなどの協賛メーカーを通じた実機デモ等に接し「YASDAの精度とその秘密」に迫る貴重な経験を共有した。
セミナーの冒頭で挨拶に立った安田拓人社長は「最大ではなく、最高を目指す‐弊社の高精度な機械づくりを志向する基本的な考え方であり、その具体化に当たっては、種々の温度を織り込んだ設計やキサゲなどの匠の技を駆使した作り込みを駆使していくことになる」との基本姿勢を明確にしながら「人手不足や熟練工の減少への課題として自動化が追求されている。弊社としては、技術的なサポートを通じて、安定した加工品質を維持できるよう、サポートしていきたい」と訴えた。
セミナーでは「芯出しで段取りをシンプルに」「自働化に向けた芯出し」「機内での計測」とテーマごとに概観。
ワーク設置誤差補正といった「ずれ量」への対処、自働化に向けた機外での芯出しプログラムの作成、複雑形状でも機内で正確に計測できる「フォームコントロールX」をそれぞれ提案、紹介された。
続く講演では、1988年に香港で創業し、今や2000人規模となった中国の金型・成形メーカー、ホングリタの幹部が来日し、自動化をテーマに講演が行われた。
「生産能力が3倍強となった立体金型、プラスチックとシリコンを掛け合わせた回転積層金型といった発明、実用新案を世に問い、現在、欧米向けで実績を積み上げている」なかで「業界の課題でもあるカスタマイズ生産に当たって、知能化、データ化、自働化、標準化といったすべての側面で自動化を追求している」と言う。
設備機械にはセンサーが取り付けられ、稼働状況をモニタリングしながら「最適」を追求。72時間無人生産を達成。自動化で難しかった点について「ヒトの管理、基準の設定、システムの相関性」を指摘した。
工場見学では、三次元大型金型から精密加工まで幅広い加工領域に対応するYBM1218Vをはじめ、工作機械メーカーからの実績を積み上げているYBM15T、微細加工分野で定評のあるYMC430に触れる機会を得た。
2日間で来場者は430人を超える盛況ぶりとなった。
また、マシニングカレッジとして、安田工業の立形マシニングセンタ向け「金型加工ステップアップ講座」の案内も。開催日程は5月27日~、6月24日~、7月29日~の各3日間。
「練習用のワークを通じて、段取りから仕上げ加工に必要なノウハウを座学と実習を通じて学ぶ3日間」となる。
中国メーカー、ホングリタ幹部による講演
担当者の説明に聞き入る来場者