創業90周年迎えたサイトウ製作所。6月には都内のホテルで式典を挙行。「これまでの感謝と弊社をご理解いただくため」(齋藤社長)

株式会社サイトウ製作所

株式会社サイトウ製作所

創業当時の鋸刃のケースを手にする齋藤社長

4月1日付でサイトウ製作所は創業90周年を迎えた。
 「金切り鋸刃専業メーカーとして、1934年に東京本社のある、この板橋区本蓮沼の地に、私の祖父が創業した。独立前はバネ屋さんに勤めていて、焼入れした鋼に刃を立てて鋸にするプロジェクトチームに参画し、後に独立開業したと聞いている」。
 創業から10年間は鋸刃で生計を立てていたが、その後、ご縁で時計メーカーの「バイトをつくらないか」との声がかかり、バイトの製造に着手していく。
 「バイトの外注先として、部分的に請け負っていた段階から、全量を任せられるようになり、同時に金切り鋸刃から撤退。バイト製作に専念していく一方、時代背景も重なり、ドリル、エンドミルといった他の工具種にも取り組んでいくことになる」。
 今では微小径ドリルの代名詞ともなっている「ATOM」は1949年に商標登録され、ルーツとして「AMSD(アトム・マイクロ・スパイラル・ドリル)」シリーズに遡ることができると言う。「すでに100分の5のサイズのドリルを製造していた」。
 「現状では6000アイテムに上っており、文字通り小量多品種の世界を標榜している。2009年の社長就任以降は、戦略上のキーワードとして『面倒を価値に変える』『闘わずして勝つ』を設定し、どんな製品を、どの様に製作し、どの様に販売していくか、全てを一気通貫で考え追求する事でリーマンショックやコロナ禍を凌いできた」と戦略性を交えつつ、現状を語る。
 同業他社は、売り上げで乱降下していた時も、サイトウ製作所は安定した売り上げをキープし、利益は計画通りの「着地」をみた。
 「6月には創業90周年式典を開催させて頂く。これまでの蓄積の上に立って、何をしていこうとするのか、ご理解いただく場にできればと思う」。