タップに特化した2種類のコーティングをアピールするエリコンジャパンバルザース事業本部
寺原プロダクトマネージャー
コーティング事業を通じて、ものづくりの進化に寄与しているエリコンジャパンバルザース事業本部。目前に迫ってきたJIMTOFで、どのような提案を計画しているのか。寺原プロダクトマネージャーを訪ね、紙面化を試みた。
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切削工具の中でもタップに特化したコーティング最前線2種類の紹介をメインとしつつ、水素フリーのDLCを併せて提案していく場となるようだ。
「ひとつがステンレス鋼のスムーズな加工に寄与していくBALIQ・ANTOS。もちろん、日本初お目見えのタップに特化した新製品で、ステンレス鋼ならではの削り難さへの対応をはじめ、溶着防止、切粉の処理等で、差別化していきたいと考えている」。
後処理を不要とする滑らかな表面、優れた耐摩耗性と密着性を実現したことによる長寿命化、低摩擦係数の達成により、(タップへの)熱負荷の軽減と優れた面品位の獲得-などのメリットが指摘できると言う。
「一般鋼向けのタップの、特に平滑性が求められる加工で、提案していきたいのがBALIQ・AUROSだ。タップのコーティングと言えば、リリースから30年近くになるTiCNが大半。この牙城に、炭素鋼の場合で36%アップ、低合金鋼の場合で50%アップの長寿命化をもたらしている。先日の独・AMBで紹介している」新製品で、もちろん、日本初登場となる。
そして寺原プロダクトマネージャーの紹介第三弾となるのが、水素フリーのDLC、BALINIT・MAYURAだ。
「0・3ミクロン~0・5ミクロン以下の超薄膜を施していくため、刃先のエッジが立っており、刃形状は、コーティング前のイメージをキープ。しかも特徴あるカラフル(虹色)な被膜を形成する。アルミはじめ、非鉄金属加工向けの工具を対象とする。鋭利な刃先を活かしつつ、溶着防止に、という点をアピールしていきたい」。
最後になるが、バルザース事業本部のコーティング事業は、海外、例えば、日系企業が数多く進出しているインドネシアでも、ローカルのバルザース工場を通じてサポートを展開している。