オーエスジーがアストロスケール社に出資、東京で共同記者会見。
パネルディスカッションで宇宙での製造を夢見る?大沢二朗常務(右端
- 人口衛星など、宇宙機の安全航行を目指し、宇宙ゴミであるデブリの除去サービスの開発に取り組むアストロスケール社に対し、このほどエースタート、ANAホールディングスとともにオーエスジーも出資、総計60億円に及ぶ資金調達に協力した。
- 7月14日に開かれた記者会見で岡田光信アストロスケール社CEOは「事業会社として、このたび、ANA、オーエスジー等からの出資を受け、28億円の資金を調達できた」と語り、その使途については「英国子会社の設立・拡充に加え、グローバル市場対応のためのグループCOOを迎える」ことを明らかにした。
- 記者会見の場に姿を現した山崎直子宇宙飛行士は「地球に引き返す途中に(船に)ヒビを発見、再突入できるかどうか打診した経験がある。宇宙ゴミの課題については、誰が解決していくのか、国家間の調整の難しさがある中で、アストロスケール社が先導してくれた。素晴らしい」と事業にエールを送った。
- オーエスジーからは大沢二朗常務が出席し「2015年に岡田CEOに出会い、宇宙ごみで大変な事態になっている現状を知り、協力への思いを強くした。出資によって何を得るか。現時点では、乗車券を買ったとでも言おうか。だが、行先はまだわからない。ただ、乗れる権利が発生した」と出資の立場を語った。
- 岡田CEOが司会を務めながらのパネルディスカッションで、長峯豊之ANAホールディングス副社長は「10年間で何をするか。宇宙を通じてビジネスチャンスを掴んでいきたい」、山崎飛行士は「月に行って、寺子屋風のものを運営したい」、大沢常務は「宇宙は我々から見てもクローズドされていた。架け橋になるとの自覚が生まれる」‐といった各人のロマンが語られた。
- アストロスケール社では2018年初旬までに微小デブリ計測衛星「IDEA OSG 1」、2019年前半にデブリ除去衛星実証機「ELSA‐d」の打ち上げを予定している。
- 宇宙ゴミの除去作業で、どのように商売として成立させるか。岡田CEOによると「あなたの衛星守ります」とのことだ。