竣工から2年、オーエスジーNEO新城工場を披露  微細精密分野需要拡大照応へのカギ握る

オーエスジー株式会社

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鎖のモニュメント「地球を吊る」前で新城市長交え記念撮影

竣工から2年、コロナ禍で見合わせていたオーエスジーNEO新城工場の待望の披露が、4月22日に、報道陣を対象に執り行われた。
 石川会長は「旧新城工場は、当社がタップメーカーから切削工具メーカーへの転換点を担った記念すべき生産拠点。ハイスエンドミルが絶好調を迎えていた時代で、その後の(当社の)発展へと繋がった」と旧新城工場の果たした役割に言及するとともに「人に頼る、古いものづくりに危機感を持ち、生産管理の刷新がスタートするなか、2017年、2018年と生産能力不足に直面するようになっていった」ことに加え「超硬エンドミルの生産拠点である大池工場の耐震不足が明らかとなった」ことで、2018年5月にNEO新城工場建設プロジェクトが発足、デジタル化の実践工場としての建設がスタートとしたとの経緯が説明された。
 続いて大沢伸朗社長は「先日、ようやく国内のAクラブゴールド店、代行店のお客様を招待して(NEO新城工場の)見学会を実施することができた」と喜びの表情を湛えつつ「世界トップの穴加工切削工具メーカーとなる体制ができあがり、今年からはカーボンニュートラル時代に向けて、世界のものづくり産業に貢献するエッセンシャルプレーヤーを目指していく」と決意し「今後の微細精密分野拡大に照応した対応を採っていく、そのカギを握るのがNEO新城工場だ」と語った。
 NEO新城工場について桝田第2製造部長は「生産品目は、超硬ドリル、超硬タップ、ハイスドリル、ハイスエンドミルで、標準、特殊の混合生産。月当たり6000種類、70万本の工具を生み出すことができる。見どころとなるのはスマートファクトリー化への取り組み。人とロボットとの協業&デジタル化を図りつつも、人の力を活かすことが本質的に大切との考えから、匠の技への依存も選択肢に入れている」と説明する。
 事務所は、部長や課長の椅子のない「フリーアドレスオフィス」で、毎日、同じ椅子に座らないことが原則。会議室には「Germany」「Taiwan」と、海外拠点の表札が掲げられている。
 「生産の組み入れ、進捗状況などはデジタル化して、加工優先順位の入れ替えなどにも、柔軟に対応することが可能。保全対象となる機械設備は630台。自社製工具研削盤も多く、改善へのアクションとなる機械稼働率も視える化している」と桝田部長は説明した。
 最後に、質疑への応答として、小径工具の需要拡大を見据え、前倒しで設備投資を行った点も付記したい。
 「2021年度の微細精密分野向けの工具比率は売り上げベースで16%、2024年度には20%以上を目指す計画」と改めて、微細精密分野への浸透を強調した。