ステージ2に繋ぐ重要な1年。変容迫られる日本が誇るサプライチェーンの仕組み。オーエスジー大沢社長年頭所感
OSG 大沢伸朗社長
2024年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
世界中でコロナ禍も明け、希望に満ちるはずの23年でしたが、終わってみれば、新たな戦争も始まり益々混迷を極めています。
当社を取り巻く経営環境も中華圏や日本市場の低迷が長期化し、厳しい状況に置かれています。特に中国の変調はいくつかの要因が複雑に絡み、その動向如何で世界経済に与える影響は益々大きくなってきています。中でも自動車産業における新エネルギー車(NEV)の中国国内販売台数が3割を超え、特にBEVとPHEVの両輪でBYDが急成長を遂げました。結果として日系自動車メーカーがシェアを大きく落とし、その影響は部品メーカーに大きく影を落とすこととなり、日本の誇るサプライチェーンの仕組みそのものも大きく変わらざるを得ない段階に入ったといえます。
ここに来てEVシフトを推し進めた欧米も、対中国を意識してBEV一辺倒からPHEVも可とするように軟化の姿勢を打ち出しました。そこに加えて米中の経済分断の進行も影響が大きく、当社も目まぐるしい変化の速さに負けず、方向性をしっかりと見極め、対応していくことが益々重要になっていきます。一方で半導体産業も成長を牽引してきたスマホ需要、巣ごもり需要なども一服し、供給過多気味になって調整局面がしばらく続くと言われています。
このような背景からも2024年は予測の難しい1年になると思われますが、航空機産業は急回復に転じているなど悪い話ばかりではありません。
2024年は2030年をゴールとする中期経営計画「Beyond the Limit」のステージ1の最終年度ながら、減速した2023年があり、数字としての達成は難しいものの、Aブランドや微細精密、Global Tap 40、収益改善など発足した多くのワーキンググループの更なる活性化と成果を上げながら、次のステージ2へ繋ぐこの重要な1年を、社員一丸となって、チャレンジを続け邁進してまいります。
最後になりますが、モノづくり産業の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。