今期からスタートする「Beyond the Limit 2027 Stage2」 オーエスジー株主総会・懇談会

オーエスジー株式会社

オーエスジー株式会社

石川会長

オーエスジーは2月21日、第112回定時株主総会を豊橋市内のホテルで開催した。
 冒頭、挨拶に立った石川会長は「デフレも収まりつつあるなか、賃金の上昇も広がりを見せ、(日本国内は)成長軌道に乗るチャンスが巡ってきた」との経済環境に触れつつ「(工具需要では)自動車の減産を指摘できようが、半導体や光学系分野、眼内レンズなど医療関連といった微細ビジネスの拡大に期待できる」と展望。オランダ・コンツール社のグループ化など、ダイヤモンド工具事業に注力し「精密」のレベルアップに貢献していく点も無視できないだろう。
 前期(連結)は、売上高1555億円、営業利益では188憶円の増収減益。うち国内売り上げは505億円、営業利益は72億円を記録した。海外売り上げは、円安の影響もあって68%を占めている。
 今期は売上高1600億円、営業利益210億円と設定。中期経営計画「Beyond the Limit 2027 Stage 2」(2025~2027年度)の初年度としてスタートを切っている。
 通例となっている株主懇談会では、大沢社長が登壇し、今期から3か年にわたる「Stage2」について、概要を説明した。
「Aブランドの積極的な新製品投入を進め、さらなる売上高比率を高めながら、特にタップは世界シェア40%を目指していく」ほか「タップに次ぐ、歴史ある転造工具のグローバル展開を加速させていく」考えだと言う。
 また「精密・微細分野拡大を目指す計画のなかで、レンズ向けなど既存産業以外の開拓を進める」一方「コーティング事業では、世界14カ国でジョブコーティングセンターを設立、稼働させており、工具以外の、この分野での伸長も目指していきたい」との「絵」を描く。
 需要家としての自動車産業と他産業とのバランスを考慮した、顧客産業別ポートフォリオへの変革もポイントに挙げられ「Stage3」が終了する2030年までに自動車関連比率は35%と設定された。
 「株主還元方針では、2022年度より、公約配当性向を30%から35%に引き上げているが、今後は総還元性向も意識しつつ、40%の配当性向を目指す」。
 カーボンニュートラル実現に向けた取り組み、その意図を具体化した新製品「GREEN TAP」。時代の要請は、もはや「環境」抜きには成り立たなくなっていることも、オーエスジーの基本認識として、提示されている。
 最後に、新人事で新任執行役員となった岩城製造副本部長から「DXの活用」、桝田デザインセンター長から「新製品開発のスピードアップ」のテーマで所信が語られた。


大沢社長