OSGのAブランドにエンドミル「AE-VMS」ラインナップ。

オーエスジー株式会社

オーエスジー株式会社

Aブランドに加わったエンドミルの新製品

 

◆女性宇宙飛行士、山崎直子さんを迎え、宇宙論議に花咲かせる

青と白のコーポレートカラーを基調とするオーエスジーブース。この星を含む宇宙全体の環境を良くすべく宇宙ごみ(スペースデブリ)の回収に乗り出した同社の高邁かつ先鋭な志を具現化した印象的な外観である。会期中、アストロスケール社(本社シンガポール)の山﨑泰教マーケティングマネージャーと宇宙飛行士の山崎直子氏を迎えてトークショーを開催した。

ミッション実行へ打ち上げを待つ探査機「IDEA OSG 1」(模型)を前に、2人はスプートニク1号の打ち上げ(1957年)以降、増え続けている宇宙ごみと人工衛星が衝突の脅威に晒されている現状を語り、見学者にも社会貢献として宇宙産業に関わるチャンスがあることを示唆。最後に、「親しい人に宇宙ごみの問題を伝え、共有化してほしい。自分たちの問題として考えてほしい」と締め括った。

大きな宿題になったようだ。OSG担当は市場形成への気運の盛り上がりを感じつつ、「多くの参入者を得ることで新しい技術が生まれるのではないか。挑戦者も出てくるだろう。宇宙産業発展への大きな足掛かりになれば嬉しい」と話している。

 

◆注目度ナンバー1の「Aブランド」。エンドミルに熱視線!

ブース内では航空機産業、自動車産業と産業別に、インデキサブルツール(刃先交換式工具)やツーリングシステムを展示。なかでも注目度ナンバー1は「Aブランド」商品。新たにエンドミルが加わり、タップとドリルとの3種類になった。このニューフェイスの名は「AE‐VMS(超硬防振型エンドミル)」。不等リードと不等分割の採用でびびりを抑制したことに加え、バリが少ないのが大きな特長。切りくず排出性にすぐれた新溝フォームを採用し、高剛性を備えて加工精度を向上、切削抵抗を低減した。ステンレス鋼、炭素鋼、合金鋼いずれの部品加工にも適し、新たなミーリングのスタンダードになりそうだ。

 

◆ロボット時代を 先取り!

ファナック社製の黄色いロボットが忙しく稼働していた。これは生産ラインに立つ工作ロボットの試作品。主軸で対象を把握する工作機械とは異なり、ロボットは構造上、切り込む力が弱く、部品加工には適さない。それなら削りやすい刃物を取り付ければよいわけで、把持力の弱いロボットでも加工が可能となる。逆転の発想だ。同社ではここ2年ほどこのテーマで研究してきた。開発ポイントとなったのが「食いつきの良さ」「切れ味の良さ」「切削抵抗が小さいこと」の3つ。3つの条件をクリアした工具をアーム先端に設置し、初めて展示した。見学者の反応も上々と見えた。

人口減少の影響は製造業も変わらない。わけても若い労働力の減少は深刻で、この種のロボットの誕生がいかに大きな意味を持つか。 先駆けて準備する同社の時代認識の確かさを感じたのは記者だけではないだろう。

 

◆今回のJIMTOF出展を振り返って  十分な手応えを感じながらも満点を出さないのがプロ意識。

「限られた見学時間内でいかに多くの良質な情報をお届けできるか、より効果的な展示方法を考えたい」。

出展各社が他社の製品やシステム、あるいは製品を生み出す背景(問題意識)に刺激を受け、改善点を模索することが結果として業界全体の底上げにつながる。参加するメリットを担当者はこのように語った。

 

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山崎直子宇宙飛行士を迎えてのトークショー

 

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アームの先端に工具を取り付け実演