「ダイジェット会総会 in 広島」 福岡・半導体展、北海道・大樹町が目指す「宇宙版シリコンバレー」に言及した山出谷会長
原料高騰に言及し、拡販への協力を訴えた生悦住ダイジェット工業社長

新たな業界にも目を向けていきたいと語る生悦住社長
第17回を迎えた、ダイジヱット会総会が、広島市内のホテルで開催された。
冒頭、挨拶に立った山出谷会長(山勝商会社長)は「明るい話題を2つ紹介したい。ひとつは、当社も1コマ出展した、マリンメッセ福岡で開催された半導体展。2回目とる今回は前回比およそ2倍近い1万3千人以上が来場する盛況ぶりで、次回はメーカーの方と共同で4コマを確保する計画。もうひとつは、北海道・大樹町でのスペースポート計画。世界中の民間企業、大学研究機関等が自由に使える、宇宙版シリコンバレーを目指して、地方創生を目指している」との魅力ある動きに言及した。
メーカー代表挨拶で生悦住社長は「(切削工具の)原料が値上がりし、業界内ではリサイクルも議論されるなか、今後は工具原料確保も問題となっていくかも知れない。タングステンの使用そのものを減らした製品化も進むのか」と問題提起する一方「今期前半はおかげさまで増収増益を確保できたものの、医療や航空機といった従来とは違う業界に目を向け、開拓に努めないと、とも思う。今期後半は、原料高騰の影響が出てくるが、より一層弊社製品の拡販にご協力を!」と訴えた。
古林常務からは、原価低減の徹底を通じた、収益体質や生産技術の強化のほか「2期にまたがった合金設備への投資が完了し、その一方で環境負荷低減を伴う新製品開発も進めている。会社から最寄りの加美駅までの美化運動、さらに三重事業所に設置したソーラーパネルによる発電が6月からスタートした」との各種取り組みが紹介され、高柳営業本部長からは「複数の新製品が来年早々から投入予定」とのアナウンスに続き「選ばれるメーカーになろう!との方針のもと、お客様の価値を満足させ、ソリューションの提供に努めていく」との思いが語られ、さらにセールスプロモーションとして、東京ではドリルキャンペーン(1月~3月)、名古屋でも同じくドリルキャンペーン(10月~12月)、そして大阪では新製品「PNS‐REBORN」のキャンペーンを9月から展開、11月末まで実施していくことが明らかにされた。
気になる、来年からリリースされる新製品は次の通り。名古屋で開催されたメカトロテックでも紹介された。
▽高送り加工用工具「マックスマスターミニ」・・・優れた排出量を誇る荒加工用高送りカッタ「マックスマスター」に、小型インサートを採用し、小径多刃仕様のミニタイプ(4枚刃)を追加。加工能率の更なる向上を実現。
▽高能率肩削り加工用カッタ「SIC‐EVO ロング刃長タイプ」・・・低抵抗インサートで安定した肩削り加工を可能にするSIC‐EVOが進化。インサートは幅広い被削材に対応可能。
▽刃先交換式ドリル「TA‐EZドリル 12Dタイプ」・・・12Dの深穴加工に対応。最適化されたフルート形状と表面処理により、本体剛性と良好な切りくず排出性を両立。
▽高速加工機向けアルミ用エンドミル「アルミジェット」・・・アルミの高速加工に適した刃先形状で加工能率を最大化。航空機の大型アルミ部品加工などに最適。

山出谷会長は、福岡で成功裏に終えた半導体展や北海道でのロケット打ち上げなど、前向きな話題を提供した

ダイジェット会に参加した各社代表との記念撮影

来年からリリースされるマックスマスターミニ