フクダ精工が売り上げベースで前期比14%アップ。4月決算

フクダ精工 株式会社

フクダ精工 株式会社

製造現場で指揮を執る加藤製造部長

目前に迫る6月22日で社長就任20周年の節目を終えて、翌日の23日から21周年を刻んでいくことになる。
 岩崎社長は「社内外の色んな方々からのご支援、ご協力を得ながら、何とか会社を存続させることができたことに、感謝の言葉しかない」と述べつつ「この20年間で学んだことは、売り上げ第一を掲げるのではなく、ものづくりをしっかりやると言うことだ。4月決算では、売り上げベースで14%アップを達成し、コロナ禍前の2019年の水準には及ばないものの、試行錯誤の努力が実を結んだ結果だ」と語る。
 売り上げ構成では、切削工具75%、トリミングダイス25%の比率。
 切削工具の製造現場では、研磨工程で、オペレーターによるスキル差をなくし、仕事量の平準化に注力してきた点が特筆できる。一方、トリミングダイスは、OBの力を借りなければならないほどの仕事量拡大を辿ってきた。
 「ものづくりが生み出す価値を大切にしていきたい」。
 大手工具メーカーが供給をストップ、引き継いで対応していくことになったアイテムになるが、高級粉末ハイスにアルミナコートを施した「V-2SF」という2枚刃のエンドミルがある。
 「需要の大枠では、減少傾向を辿るハイス工具だが、欠けを嫌う現場では、重宝されているのも事実。中小規模だからこそ可能なものづくりもある」。