ブラザー・スイスルーブが天然ガスをベースとする初に切削油材に注力 インターモールドでもPR
西社長
- 天然ガスをベースに、業界で初めて切削油材へと「昇華」させた、ブラザー・スイスルーブの新製品「ブラソミル GT」。昨年のJIMTOFで披露され、今年2月から販売をスタートさせた。製品自体の訴求力がどこにあるのか、その特長について、西博昭社長に取材した。
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- 「GTLという、天然ガスを一酸化炭素と水素に分解後、分子構造を組み替えて液体燃料などをつくる技術を応用して辿り着いた新製品。無色透明のため、視認性が良く加工点が見えやすい。小物で高精度な加工を対象としており、当社では、自動盤向けに提案していくメリットが大きいと考えている」。
- 一般的に油剤は粒子が細かく、均一であればあるほど、品質が高い。油煙の発生にも関わってくる、大きなファクターでもある。
- 「ブラソミル GTも、まさに、その特性を備えている。そのうえ、矛盾した言い方だが、粘度が高いのに、さらっとしているため、残渣が少なく、加工中、機械本体への付着も少ない。稼働中に油剤が吸い込む気泡も、脱気性が高いため『抜け』が早い。その結果、工具が長持ちし、サイクルタイムの短縮にも繋がっていく」。
- 特に自動盤ユーザーへのアピールポイントとして、暖機運転の省略、あるいは短縮が期待できることに西社長は言及した。
- 「粘度の高い油剤を自動盤で使われる現場では、暖機運転をしつつ、その経過とともに油温の上昇を待つ、いわゆるダウンタイムが馬鹿にならない。ブラソミル GTでは、基本的に暖機運転の必要がなく、これ自体が生産性のアップをもたらしてくれる可能性もある」。
- クーラントで何ができるか。普段、ものづくりの現場で、省みられることがまだまだ、少ないのが現状だろう。
- 「ワークの面粗度や生産性、いろんな場面で差が出てくる。工具メーカーや機械メーカー、さらに研究機関での比較検証などを通じて、当社製品の優位性を確認いただけるデータを積み上げつつある。加工上、無視できない切削油の認知度向上と合わせ、拡販に努めていきたい」。