プロダクティビティトロフィー2024 開催 ブラザー・スイスルーブ・ジャパン
6部門で各現場を表彰
表彰された各社代表
ブラザー・スイスルーブ・ジャパンは、JIMTOF初日に当たる11月5日、都内のホテルでプロダクティビティトロフィー2024を開催。プロセスの安定性/工程の最適化、切削油の最適化、持続可能性/環境・安全、トータルコスト削減、生産性の向上、工具の最適化という6部門で優れた結果を出した、それぞれの顧客が表彰された。切削油による加工上での歴然とした差を可視化し、敬意を表する場ともなる。
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冒頭、マーク・ブラザーCEOは、日本語の変換機能を用いて、母言語ではなく、日本語を駆使しながら、日ごろのご愛顧に感謝の言葉を述べた。そのひとつ、ひとつ、選ばれた言葉を温かく迎えながら、参加者は、日本と日本人に対するマークCEOの心遣いを読み取った。
表彰された各社の実績を見ていこう。
▼プロセスの安定性/工程の最適化(高知・ミロク製作所)・・・南国市に位置し、製造現場では、民間用の散弾銃を手掛ける。夜間自動化ラインで、切削油の添加剤が起因となる機械(部品)の故障が発生。このトラブルが、ブラザー・スイスルーブとの出会いに繋がり、2019年に「B-Cool 755」を導入。2022年8月には問題となっていた機械の対象部品を一斉に交換して以来、保有機3台すべて正常に稼働するに至った。そして現在は、パレットタワー内での腐敗に対応し「シナジー735」に変更、加工や機械に問題が発生することもなく良好な結果が得られている。
▼切削油の最適化(京都・椿本スプロケット)・・・創業当初から手がけているスプロケットをはじめ、タイミングプーリ、カップリングなどを製造。切削油の検討のきっかけは、オペレーターの手荒れと現場の腐敗臭。言わば作業環境の改善。1年半にわたり、他社製と比較検討した結果、シナジー735によって、肌荒れの劇的な改善ばかりか、腐敗臭も一掃。現在、切削油の切り替えを順次、進めており、完了すればおよそ80台の機械にシナジー735が導入されることになる。また、希釈装置ジェットミックスの活用でも成果を上げている
▼持続可能性/環境・安全(福島・東北江南)・・・工業用プラスチックなどの樹脂材料の精密加工を展開。一気通貫体制を構築している。従来の切削油は劣化が著しく、腐敗による悪臭発生し、取引のある機械メーカーに相談すると、ブラザー・スイスルーブを紹介され、バスコ6000をテスト。臭いが気にならない、製品の仕上がりも良好、オペレーターの手荒れも改善。現在、4工場にある機械56台にバスコを活用。希釈装置のジェットミックス導入から2年を経ても一度も油交換をしていない機械もある。
▼トータルコスト削減(山梨・フジメック)・・・半導体・液晶製造装置、真空関連装置などの精密機械部品の加工はじめ、ハンダ付け、溶接、組み立てなど幅広く事業を展開。切削油のべたつきに苦慮し、勧められた「B-Cool MC660」で半年間、1台の機械でテスト。腐食、フィルターの詰まり、トータルコストなどの項目すべてで良好な結果が得られ、特に洗浄性の大幅な改善で、2カ月を経ても詰まりがなくなった。また、二晩放置した後も腐食が見られなかったため、夜間、週末ともに夜間運転が可能となった。費用の削減の点では、年間約107万円の節約に繋がっている。
▼生産性の向上(岐阜・日本トムソン岐阜製作所)・・・ニードルベアリング、直動案内機器、メカトロ製品などを製作。プレス金型の加工現場で、従来品は泡立ちの発生で床の清掃や工具寿命の悪化、オペレーターの手の痒みなどの課題を抱えていた。展示会でブラザー・スイスルーブの担当者に相談したところ、バスコ601を勧められ試したところ、泡立ちと手の痒みの解消に加え、工具の寿命が最大3・5倍に伸びるという効果を確認。また、希釈装置ジェットミックスによりで廃液を75%削減できる見通しがたっていると言う。
▼工具の最適化(埼玉・大村製作所)・・・自動車関連機器部品や宇宙航空機部品と、多岐にわたる金属部品の加工を手がける。埼玉と新潟に工場を擁し、新潟工場で2021年に製造工程を変更したことで、特に工具寿命の延長と切削性向上の観点から切削油の見直しが図られ、バスコ601をテスト導入。ステンレスやアルミ合金のワークで加工の仕上がりと工具との相性を観察した。結果は、心配していた寸法の安定性でも問題なく使用できることが確認できた。工具との相性もいいと言う。
マーク・ブラザーCEO
ジャパンの西社長