ブルーム‐ノボテスト創業20種年迎え、山田社長にインタビュー「機上測定」の普及に貢献
山田社長
- 昨年12月に日本での活動が20周年という節目を迎えたブルーム‐ノボテスト。「機上測定」が今や日本でも「市民権」を得るようになっているが、この普及にブルーム‐ノボテストの貢献は無視できないだろう。ワールドワイドでの測定機器、テスト機器のリーディングカンパニーの一翼を担う、日本での変遷を紐解いてもらうべく、創業者の山田亨社長にヒアリングを行い、紙面化を試みることにした。
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- 日本での創業当時の「機上測定」についての認識はどうだったか。
- 「工作機械は切粉を出すもの。計測は本来ではなく、顧客に費用対効果に見合った、いい機械を提供することが務めと考える工作機械メーカー幹部が多かった」と言う。
- だが、工作機械メーカーサイドで、価格と価値が見直され、検討されるなかで「機械をいかに止めないで、ダウンタイムを減らしていくか。関心と理解が集中するにつれ、機上測定が市民権を得るようになっていった」と山田社長は語る。
- なかでも「機上測定」への認識を深める、うねりを発生させたのが8年前のJIMTОF。各社が一斉に5軸加工機を出展したことがきっかけとなっていったと言う。
- 「(5軸加工機によって)工具のワークへの当たり方が複雑になり、工具の破損といった事態も踏まえて、計測の必要性が高まり『計測して補正』の需要の拡大を促した。当社の強みは、どの箇所を測定し、どのように使えばいいか、アプリケーションを加味して提案できることにある。言わばエンジニアリング対応力だ。多軸化、複合化の普及に従って、ハードのみならず、ソフトの面でもサポートを強化していきたい」。
- 2020年からの話題の先端技術として山田社長から「デジログ」が挙がった。
- 「アナログ信号をデジタル化してNCに転送して、すべての工具の刃先を無人で計測することが可能になる。たとえば、表面粗さと言う点を捉えても工具の刃先のみならず、ワークについても計測できる。測定の見える化を実現したと言ってもいいだろうか」。
- タッチプローブで一般に広まった、このデジログ技術は、自動測定による生産時間の大幅な短縮や不良の低減、省人化等への道を拓きながら、工具の破損検知、工具形状モニター、摩耗補正、輪郭制御など、数多くの可能性を引き出す。
- 「日本で機上測定を軸に、今後も日本のものづくりを支援していく覚悟。だが、単に販売するだけではなく、客先で不具合が発生したときに、リスポンスが早くできるよう、当社は、創業時からサービスフォローに重心を置いてきた。新人はまず、サービス部門からスタートさせているのも、この点への配慮からだ」と訴える。
- 創業20周年という岐路に立って、山田社長は「本社のあるドイツでは、有給が30日あり、しかも、全員が取得している。欧州との仕事の取組みのギャップを埋めていくべく、当社の最近の取り組みで、連続して1週間の休みが取れるようにした。公私ともに充実したものにしてきたいと考えるからだ」。
- 山田社長は、ブルームに関わる前は、THKのドイツに在籍。1982年頃のことで、ブルームがLMガイドを設計して、それを機械メーカーに納入した、その御縁についても忘れてはいない。