スーパーG1チャックの「デモ加工」を体験。優位性実証の場に商社営業マンも多数参加している。
7月27、28の両日、関東、北陸の取引商社を招き「技術研修会」を開催。デモ加工も盛り込まれている
- ユキワ精工本社を訪問し、スーパーG1チャックの「デモ加工」を工場内で体験した。
- 本紙のこれまでの取材の中で
- ①切削工具の長寿命化②ワークの面粗度アップ③サイクルタイム短縮④加工音の静寂化‐といったメリットがユーザー側から指摘されているが、その「裏付け」とも言える優位性を検証していくことに繋がるものだ。
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- 年間25回程度、月にして平均2回、工場見学会が実施され、その中で、他社のツーリングとの比較がデモ加工を通じて実施されている。 酒巻孝次設計開発部長兼技術部長は「エンドユーザーの方ばかりか、販売店の方にも認識を深めていた
- だき、提案営業の『ネタ』に使って頂いている。一昨年、昨年と連続して、国内、海外から数多くの顧客の訪問があったが、比較検証の結果は本当?プログラムの内容を見せて!といった関心を引き起こしている」と言う。
- デモ加工の内容はスーパーG1チャックの特徴である①把握力②振れ精度③剛性の高さ‐の観点からセットされていた。実演に立ち会ってくれたのは、入社4年目を迎える設計2グループの平澤勇気氏だ。 スーパーG1チャックと比較検証される他社製ツーリングは2点。両製品とも量産メーカーの売れ筋商品だ。
- 把握力は他社製2点と比べ、それぞれ1・5倍と3倍。センサーを用いて計測された振れ精度では、他社がPRで謳っている5ミクロンとは大きく異なる20ミクロンという測定結果。スーパーG1チャックは4ミクロンで、基本的にアピール内容と同じ結果が出た。
- 「顧客が実際に使用する状態の検査を実施、しかも全数検査だ」と酒巻部長は振れ精度の保証を強調する。
- 剛性の観点からは、ミーリングチャックとの加工音の比較が、側面と溝の2パターンの加工を通じて実施された。ミーリングチャックの音の大きさに比べ、スーパーG1チャックはかなり小さい。
- 「この加工音の違いが、面粗度に大きく影響する」。
- ユキワ精工のツーリング、特にスーパーG1チャックは、この3点を意識した、バランスの良さを追求して、製作されている。
- スーパーG1チャックは、リリースされておよそ25年が経過したロングセラー。
- 「近年の工作機械の高度な進歩によって、より機械性能を引き出せるようになってきた。当社では、一貫して穴あけ精度の良さを追求してきたが、エンドミル加工の方がより効果が出ることがわかった。今後はCFRPやNAK材などの難削材でも挑戦していきたい」と言う。
- わずか5年ほど前までは、日本市場で9割以上が使われてきたが、この1、2年で4割以上と海外での採用が急増。日本の工作機械での使用が増えてきている。荒加工=ミーリングチャックという図式も崩れてきたそうだ。
- スーパーG1チャックの製品ラインナップでは、剛性重視のグリーンG1チャック、振れ精度重視のハイブリッドG1チャック、そして剛性とバランスを考慮したアドバンスがある。
- 「いかに使いやすいものにしていくか。コレットチャックの強みを伸ばす設計を今後も追求していき、コレットチャックでトップを目指していきたい」との目標も酒巻部長は披歴してくれた。
- 工具交換のための作業者負担の軽減による労働環境の向上、人手不足への対応を通じ「働き方改革」をも展望していく。
実演に立ち会ってくれた平澤氏
酒巻部長