ワルタークラブ総会を開催。「お得感」が大切と語る小泉会長。
新製品「ワルタービジョンレーザー」を冨田営業部長が紹介。
小泉会長
ワルターユーザーで構成されるワルタークラブ総会が6月14日、名古屋市内のホテルで開催され、各種事業報告、計画等の承認を行う一方、ワルターエワーグジャパンの冨田営業部長からの新製品紹介のほか、特別講演会が三菱重工業の守屋主席技師から「航空機産業のこれから~軽量化と量産技術の必要性」と題して行われた。会員異動では退会なし、新たにダイジェット工業が加わった。
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冒頭、小泉会長は「(コロナ禍が明けて)普通に企業活動ができる、そう思って(結果も)期待していたが、足元の数字が厳しい。為替の影響なのか、EV化なのか、(自動車の)不正が絡んでいるのか・・・」と自問しながら「ワルタークラブは会員がお得感を感じられる会であればと思っている。本日のような勉強会や海外視察など、様々な企画を主催していきたい」と挨拶した。
冨田営業部長からは新製品、ロウ付け回転工具レーザー加工機「ワルタービジョンレーザー」が紹介された。
「5月の独・グラインディングハブで、ワイヤ放電加工機に代わる提案として、披露させて頂いた。PCD、CⅤD、MCD、超硬といった工具材種に対応し、販売は2025年1月を想定している」。
標準でC軸(旋回軸)、A軸(回転軸)、DD(ダイレクトドライブ)、スライド軸はリニアドライブを搭載。対象工具は現時点でストレートフルート工具のみだが、その他の工具種についても検討中だそうだ。
続いて自動化と言う観点から紹介されたのがATP(自動工具生産システム)で、効率と競争力の拡大を企図した。
「工具研削盤とATPを組み合わせつつ、搬送を担うモバイルロボット(AMR)との連携を図るなか、工具製作から品質保証までの流れを担っていく。ヒトが介在しなくとも、連続運転が可能となる」と言う。
G200、ヘリトロニックマイクロにATPの適用を図っていく考え。人手不足への対応となるのは言うまでもない。
特別講演で登壇した守屋誠主席技師は「1991年に三菱重工業に入社し、機体構造の主要機械部品や複合材の製造技術開発に従事してきた」と自己紹介しつつ「コロナ禍では極端な落ち込みを経験し、ボーイングで1万6千人、エアバスで1万5千人のレイオフを経験した」とコロナ禍による2大エアラインへの影響に触れた。
とは言え、現状のエアラインは、総数で1657社を数え、地球上空をおよそ4万機が飛ぶ。
「今後、20年間で航空機需要は20倍に迫る」予測の中で「カーボンニュートラルなどを考慮した環境変化、たとえば、将来の需要拡大の核を成す、狭胴機の構造材比率でアルミからのCFRP化は避けられない」とコメント。
「半導体の飛躍的な性能アップにも関連するが、最先端のVR技術を駆使すれば、実物としか見えないレベル。開発の段階でデジタルをどこまで駆使できるかも大きなテーマとなる」とアピールした。
新製品説明を行う冨田営業部長
これからの航空機産業を展望する守屋三菱重工業・主席技師