三菱マテリアル金子営業本部長インタビュー 高速、高送り、寿命、切削抵抗、あらゆる観点から群を抜く数値達成
金子三菱マテリアル加工事業カンパニー営業本部長
三菱マテリアル加工事業カンパニーの金子営業本部長を訪問し、上半期の事業推移やDX戦略等をヒアリングしつつ、身近に迫ってきたJIMTOFでの提案について取材した。
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4月~9月の上半期を終え「後半戦」に突入した。
「上半期については、自動車産業はコロナ禍による半導体部品の滞りで生産が乱降下し、その影響を受けたものの、航空機や医療関連の回復、半導体需要の高さに支えられ、ほぼ計画通りに推移した」と言う。
しかしながら「下半期は欧州景気の減速感、ロシア-ウクライナ問題の継続、中国市場の減速、円安による物価高など、取り巻く環境は決して楽観視できる状況ではない」との見方を示す。
その中で加工事業カンパニーは、事業競争力追求の観点から、顧客とのコンタクトポイント、加工プロセス支援、高効率工具を通じたデジタルソリューションなどのデジタル化戦略の深化を見据えていく。
「JIMTOFでの提案にも通じるが、圧倒的な性能を持つ製品開発を実践していく中で、世界№1の工具をリリースしていく。たとえば、高速・高送りの点でN倍、寿命ではN倍、切削抵抗N分の1など、群を抜く数値で席巻できるようにしていきたい」。
JIMTOFのテーマは「YOUR GLOBAL CRAFTSMAN STUDIO(お客様一人ひとりの総合工具工房)」を掲げる。
「もの売りからコト売りへ、製品を供給するだけではなく、たとえば、加工パスを含む最適推奨条件の提示など、確かな品質、サービスと一体となった提供を心がけていく」。
ブースは、加工ソリューションコーナーを中心に、プロダクト&テクノロジーコーナー、解析ソリューションコーナー、SDGsコーナー(超硬リサイクルを中心としたSDGsの取り組み)などで構成。
「ブース内のプレゼンテーションでは、航空機部品加工、小物高精度加工、アルミ加工、解析ソリューション等を想定し、11日、12日の両日には、人気ユーチューバーのものづくり太郎氏によるトークショーも予定している」そうだ。
11月10日には筑波製作所・開発課の浅利翔太氏による講演「“超“寿命を実現する新しいCVDコーティングによる最新切削加工事例」も計画されている。
注目製品ではL/D=5サイズを追加発売した超耐熱合金加工用ソリッドドリル「DSAドリルシリーズ」、1・2ミリ幅インサート&一体型ホルダを追加した溝入れ用バイト「GYシリーズ小物高精度加工用ホルダ」などが挙げられる。
4年ぶりのJIMTOFリアル開催に期待する人は多い。どのような結果が生まれるか、楽しみだ。