安田工業のプライベートショーに700人近い来場者
「製造現場を見て頂き、体感頂くことが大切と考え具体化(安田社長)
製造現場を見て頂き、弊社をより理解いただく機会に、とアピールする安田社長
「ヤスダでカイケツだ!!高精度なモノづくりの自働化ソリューション」をテーマに、岡山の本社で開催された安田工業のプライベートショーには、4月19日、20日の2日間で700人弱という多くの来場者で賑わいを見せた。
ショールームには、昨年のJIMTOFで披露された最新鋭5軸機「YBM Ⅴi50」をはじめ、5軸加工のベストセラー「YBM Ⅴi40」、装いを一新した不朽の名作「YBM 950V」、ワンランク上の自動化を提案する「PX30i」などが配置され、協賛7メーカーとのセミナーをも交えたコラボレーション提案による、多様な自働化ソリューションを目の当たりにすることができた。
セミナーの冒頭で安田社長は「弊社は高精度加工にターゲットを絞り込んだマシニングセンタの開発、製造、販売に特化した事業を展開し、今年で創業94年を迎えさせて頂いている。製造現場を見て頂き、(機械の)作り込みや構造を知り、体感頂くことが大切かと思い、企画させて頂いた次第」とプライベートショー開催の意義をアピールした。
セミナーでは、最新鋭機5軸機「YBM Ⅴi50」の紹介と高精度な5軸加工の自働化実現するための技術-を中心に解説された。
YBM Ⅴi50は、自動車や航空機、半導体といった分野の部品の大型化、軽量化に対応した高精度5軸加工機で、キーテクノロジーとして、重切削から高品位加工まで対応するプリロード自己調整型スピンドル、加工の安定性を実現させる機体温度制御装置、ワーク重量に依存されないチルトテーブルワーク重量補正といった独自技術が採用されている。
一方、自働化の観点からは「欧州では立形マシニングセンタの4割までが自社製のAPCや搬送用ロボット(他社製)と接続する」との事例が挙げられたのに続き、高精度加工を実現していくためには、特にキャリブレーション(校正)が大切と指摘。
「Navi-CAL」による工具長、旋回軸等の校正や「i-CAL」による5軸加工機の回転軸、旋回軸の中心位置の校正、「i-GAUGE」による加工面の平面度の確認といった、それぞれのポイントを活用するツールと合わせ、紹介された。
さらにプロファイル計測による工具摩耗の検知、スケジュール機能とOpeNeというソフトウエアの組み合わせよる工具の状態のリアルな監視についても言及がなされた。
工場見学では来場者を数班に分けて、順次、案内され、キサゲ作業などの摺り合わせ技術へのこだわりや組み立て前のベッド加工へのひと工夫など「手作り感満載」の作りこみに参加者からは高い関心が寄せられた。
周辺機器メーカーでは、エロワ日本から「Robot ComPact 80」、ZOLLER Japanからは「工具段取りのトータル自動化」、大昭和精機では「Factory Manager」、レニショーは「ボールバーシステムによる予知保全」がそれぞれアピールされた。
プライベートショーを振り返って、高橋国内営業部長は「予想の2倍以上のお客様に来場頂き、大きな手応えを感じた。今後、周辺機器と組み合わせた、更なる自動化提案を進めていきたい」と総括した。
セミナー会場は満員御礼状態-。隣にも会場が設営された
安田工業の機械の作りこみをじっくりと見学できた