キサゲ作業が「保証する」自動化の世界。JIMTOFでは生産性向上を意識した自動化提案を計画する安田工業
プレゼンではユーザーの自動化事例が取り上げられた
ロボットテクノロジージャパンの安田工業ブースを訪問し、展示会出展の企図でもある自動化について、プレゼン等の機会を捉えながら取材する一方、香川営業本部長に直近の概況をヒアリングし、紙面にまとめてみた。
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商社主催の展示会でのアテンドを経て名古屋に移動、最終日の6日に会場入りを果たしたという、香川営業本部長。
「商社主催の展示会では、キサゲ作業を実地で経験していただいたが、非常に好評で、企画した甲斐があった」と振り返る。安田工業の機械の「精度」のカギを握るのは、まさにキサゲ作業。量産は馴染まないゆえ「最大ではなく、最高を目指す」というスローガンが馴染み深いのも合点がいく。
自動化のユーザー事例で取り上げられたのは、埼玉で食品や医療関連向けの金型や治具関連を製造する本間製作所。
「5ミクロン以下の精度出しも決して少なくない」現場だそうだが、ファナックのロボットとYBM640Vを組み合わせ、夜間・休日の無人化、自動化が追求されている。
説明要員のスタッフの方によれば「昼間時間帯で精密作業に取り組み、夜間・休日は5ミクロン以下の自動化を図っている」そうで「たとえば直角度は0・002ミリ。芯ずれが小さく、安定した加工が可能」なばかりか「加工上のトラブルもほとんどなく、信頼性が高い。結果として、加工時間短縮に寄与してくれている」といったユーザーの声が紹介された。
自動化を追求していく上で機械に求められるのは、1ミクロンを保証する精度であり、300キロのワークを支える剛性や安定性、長時間運転を保証する熱変位対策であったりするだろう。安田工業の機械は、どの視点からも「及第点」以上が得られる。本間製作所でも検証されたと言えようか。
最近の国内外動向について香川本部長は「4月~6月は堅調な動き」だが「今後のEV化に関しては、供給能力について注視していきたい」とコメント。「中国はシェアを確保していくための先行投資に早い判断がなされており、弊社への問い合わせ、引き合い、受注も活発」とのことだ。
欧州は、イタリアやベネルクス3国が手堅く「北米需要も上向き傾向にある。ジョブショップ関連、半導体、航空機と言った分野が牽引している」。
産業ではワールドワイドで見た半導体需要が「間違いなく、成長局面を迎えている」。
今年はJIMTOFの年であり、日本の事情に即せば、人手不足への対応は懸案事項であり続ける。
「生産性向上を意識した実演を通じて、自動化を提案していきたいと思う」と締めくくった。
体験コーナーに見入る来場者。
ブースに立ち寄り、説明に聞き入る来場者