「CBN工具拡販を重要課題に設定。キーワードは超・長寿命化」を掲げる日進工具。
最前線製品に「SSPB302」「SSR400」

取材に応じてただいた前川西部グループ長(左)と櫻井名古屋営業所長
日進工具のブースを訪問し、前川西部グループ長、櫻井名古屋営業所長に拡販の基本指針をはじめ、メカトロテックでのアピール内容や手応え等について語ってもらった。
愛知、岐阜、三重の3県に、浜松を加えたエリアが名古屋営業所の所管となる。
「切削工具の需要が押しなべて落ち着いているなか、メーカー、商社、ユーザー、それぞれの連携を大切にしながら、既存プラスアルファを図っていきたいと思う」。
足元では、自動車関連の新規案件やプロジェクト案件がやや見えにくい状況にあり、結果として市場全体の勢いが読み取りづらくなっている点も一因だろう。
「メーカーとしての打開策は、やはり製品の訴求力であり、その浸透にある。弊社では、CBN工具の拡販を重点課題に掲げており、その最前線に位置する3枚刃ロングネックボールエンドミル『SSPB320』(5月発売)、4枚刃ロングネックラジアスエンドミル『SSR400』(7月発売)には特に注力している。加工スピードを上げることによって、コストダウンに寄与していきたい」。
SSPB320は、従来の2枚刃に比べ、切削長にして約2倍の工具の長寿命化を達成し、加工時間も約40%削減した。一方、SSR400は、仕上げ加工における圧倒的な長寿命を達成し、加工時間も従来の2枚刃に比べ半減、さらに加工負荷の高い場合でも安定した加工を実現する。
「キーワードは超・長寿命化。金型は大型化し、中身は細かくなっていく流れは、部品点数を減らし、効率化を図る一体成形という考え方によるものだが、この中でCBN工具が果たしていく役割、可能性を、特に工具寿命との関連で追求していきたい」。
昨年のJIMTOFのタイミングでリリースした、プラ型ユーザーが使用するSUS420J2の加工に特化した超硬ロングネックボールエンドミル「XRBH230」も見逃せない。
「52HRC相当の焼き入れ材の鏡面加工需要に照準を合わせた。新コーティングMPXにより、工具寿命は従来比2倍以上となり、ニッチながらもポピュラーな世界を擁する、SUS420J2の加工で優位性を発揮していく考えだ」。
製品紹介では最後になるが、8月にリリースしたばかりの銅電極加工用ニック付き3枚刃スクエアエンドミル「DHS340」(標準ニック仕様)「DHS340F」(ファインピッチ仕様)も紹介してもらった。
「特殊なニック形状、強ネジレで切りくずを分断し、排出性を向上させており、銅電極の荒取り加工イチオシ製品として拡販に努めていきたい。従来からステンレス用、アルミ用といった専用工具の評判が高く、今回もその延長線上で確かな手ごたえを感じている」。

日進工具ブースの様子