JIMTОFでロングネックスクエアタイプを披露する日進工具。銅電極加工用ボールエンドミル「DRB230」が急浸透
服部東京営業所長
- 直彫りと電極の棲み分けが明確になってきているなか「6月にリリースした銅電極加工用のロングネックボールエンドミル『DRB230』に対する(市場からの)反応は予想以上に早かった」と服部東京営業所長は言う。
- 「特殊なコーティングを施し、寿命は従来品の15倍を記録。銅タングステンの加工でも従来品の3倍以上とアドバンテージがある。11月のJIMTОFではロングネックスクエアタイプを披露していく考えだ」と金型分野に向け、JIMTOFでは次の展開を計画する。
- 汎用性の高い工具ではなく、特化した工具を市場は求める、そのトレンドを先取りする、攻めの姿勢が需要を喚起していると言ってもいいだろうか。
- また、半導体や装置系、車載系といった、部品加工向けの新たな動きでは「アルミ用シリーズを拡充する。3枚刃×3倍刃長の発売と人気のALZ345のラインナップ拡充に要注目だ。
- 4月~9月という半期の市況を総括してもらうと「金型メーカーは、総じて仕事量の確保そのものに労力を割いておられた。が、秋口以降は(内示が出ているので)忙しくなると聞いている。底堅い精密プレス・ダイキャスト分野はもちろん、光学系分野にどう切り込んでいくか。また、6月まで爆発的な需要を発生させていた半導体関連が落ち着きを見せ、まだら模様。車載系関連も一服感が出始めているが中長期で見れば明るい」。
- 興味深い事例として、半導体やコンデンサー等の部品そのものが更に小さくなり、搬送トレーも微細化、刃径0.1㎜を切る工具が実需として使用されるようになってきた、とのニーズも服部所長は付け加える。
- 日進工具の攻めの姿勢-その端的な取り組みのひとつに「トライアルキット」が挙げられよう。
- 「鏡面加工に関し、PCD工具を使用して、その浸透を図る試みだが、1年前に比べ、3倍の量に達している。1ユーザーが機械ごとに購入するケースも出てきた。最初はうまくいかず、曇ってしまう。なぜ?どうして?、その技術的フォローを通じて、効果が出るようにサポート。鏡面仕上げに到達できるよう、お客様とともに汗を流している」。
- 鏡面加工に関する事例を積み重ねてきた蓄積データの力が寄与しているのは言うまでもないだろう。
- 「鏡面という見た目だけではなく鍛造型などにおいて機能そのものがアップする点にも、評価は高まっている。また、トライアルキットの購入によって、微細加工に対するユーザー様の感覚も変わってきたように思う」。
- 日進工具では「スーパーミニマムチャレンジ」を支援しており、「50CCで233.3キロを超すスピードを目指す」と言う。話題を呼びそうだ。