ブローカー的立場からものづくり企業へ、恒川商会。自動倉庫部品が1年内で社内シェア4割近くに拡大。ユキワ精工ユーザー
スーパーG1チャックを手にする恒川工場長
ねじに関連するブローカー的な立ち位置で、1979年に、現在の恒川会長が恒川商会を創業した。
「仕事を請けて、周辺の町工場に仕事を外注して、生計を立てる生活が30年近く続いたと思う。だが、時が移り行くなかで、高齢化などを理由に工場を廃業されていくケースが増えていき、我々、兄弟の入社をきっかけとして、ブローカー的な立場から、ものづくりを志向する会社へと転換していった」と恒川工場長は語る。
長男の恒川社長は2007年、次男の恒川工場長は2009年にそれぞれ入社した。
「社長である兄は、滝澤鉄工所で研修を積んで営業と旋盤、私はブラザー工業で講習を受け、マシニングセンタを担当しているが、入社早々は、ともに、素人。廃業を決めた工場の方々に少しずつ、教えて頂きながら、まさに細かい仕事をこなしていく日々。イメージを掴んでいくため、YouTubeや動画を活用し、学んだことも多かった」そうで、2017年辺りから、外注から内製化への転換が図れるようになったと言う。
現在、取引企業は、およそ30社で、ほとんどが愛知県内の企業。仕事内容は、ドア・ノブ(ハンドル)を構成する部品や自動車の溶接関連部品、センサーのほか、昨夏から新規受注し、急拡大してきた半導体分野向けの自動倉庫関連の部品加工で占める。
「自動倉庫関連の社内シェアが1年も経たない間に、3割~4割と急成長を遂げ、当社のコアを占めるに至った」。
半導体に絡む、まさに「旬」の受注内容と言えようか。アイテム数は限定されているが、部品点数で見れば月に数千点に上るそうだ。
スーパーG1チャックとの出会いは2015年ごろに遡る。
「あるリーマ加工で、5ミクロンの精度は出ると思っていた某社のツーリングで、狙っていた穴サイズ・精度が出ない。締め方も影響するのか、人によるバラツキも見られた。インターネットで調べて、スーパーG1チャックの詳細を確認し、取引商社の方を通じて購入した」のが、そもそもの発端で、精度はもちろん、人によるバラツキも解消され、他社からスーパーG1チャックにリプレースした経緯があったようだ。
「急拡大する自動倉庫関連の部品加工に対応して、ブラザー工業製スピーディオ2台を専用に導入した。ツーリングはすでにスーパーG1チャック採用を決めており、この時、まとめて20本購入した」そうだ。
スピーディオ2台は一日、8時間以上のフル稼働状態にある。
恒川工場長のスーパーG1チャックに対する評価のひとつのポイントは「振れのなさ」。
「振れの調整の手間が省け、従来、段取り時間で半日かかっていたのが、1時間で済む」ばかりか「ドリル、エンドミル、リーマといった工具種に関係なく、スーパーG1チャック1本で済むメリットも大きい。しかもミクロン台での精度が出せる」。
工具種ごとに指示を出していた時間の節約にも繋がると言う。
「スーパーG1チャックは、当社では、高精度と時間短縮でメリットを発揮してくれている。ユキワ精工さんに、今後、望むとすれば、ミクロン台での仕事となるので、ホコリもしっかりと除去していきたい。短時間で効果の出るアイテムがあれば、ありがたい」との要望が挙がった。