テーブルタンデム駆動を採用した「VTLex」(1600M型)ターニングセンタを出展
超高圧クーラント仕様で、群を抜く切粉の分断、冷却能力

株式会社オーエム製作所

株式会社オーエム製作所

水田事業部長

オーエム製作所の水田工機事業部長を訪問し、今期上半期の概況等をヒアリングしつつ、JIMTOFでの提案内容を取材した。

 上半期の状況については、国内は重電と半導体の2本柱を中心とする需要喚起に努めた結果「新規ばかりか、増設ニーズも引き出し、通常の設備投資意欲に加え、事業再構築を含む、補助金絡みの案件を積み上げていくことに成功」して受注に導いていく一方、海外は、円安効果が後押しし「特に中国市場では、風力発電関連を中心に、通常の2倍の受注を獲得。競合する台湾メーカーとの価格差が20%以内に縮小するフォロ―の風が吹くなかで、工作機械の作り置きを実践し、即納体制が奏功していく結果となった」そうだ。
 また、最近のトピックスとしては、先般、開催された米・IMTSを通じで機械2台の受注が即決されたことが挙げられる。
 「4年前の前回も受注実績があった。社内的には、ターニングの機械出展が少なかったことが幸いしたと総括している。米国市場では、『現物』があることが重要になるからだ」。
 コロナ禍での業績推移では、2020年の下半期が底で、2021年下半期がコロナ禍前の2019年下半期と並ぶ水準にまで回復し、その後、現在までそのレベルをキープしている。
 「航空機需要が回復していない現状で、コロナ禍前レベルまで回復できたことは、自信に繋がっている。(航空機需要が)回復してくれば、プラスアルファが期待できるからだ」。
 JIMTOFでは、重電需要ともマッチする、テーブルタンデム駆動を採用したVTLex(1600M型)ターニングセンタを出展する。
 「全閉カバータイプ。最大圧力20MPa、吐出流量40リットルに及ぶ超高圧クーラント仕様で、切粉の分断、冷却能力の点で、群を抜く。HSKクランプを採用。切削条件を上げても、冷却効果が発揮され、工具の長寿命化にも繋がっている点をアピールしていきたい」。
 チタン合金や耐熱合金の加工において、従来機に比べ、大幅な加工時間短縮を可能にしている点も見逃せないだろう。
 単動4ツ爪テーブル、クーラント装置、ATC装置、刃先自動計測補正装置などは標準仕様となっている。
 因みに、今回の目玉である高圧クーラントについては、一昨年から切削工具メーカーのイスカル社とタイアップしながら進めてきた。
 また、カーボンニュ―トラル時代に向けた省人化、無人化への取り組みとして、カッティングヘッド自動工具ATC、ワーク自動計装置の計測精度向上、高精度APC、切粉検知システムなど、最新技術、案件についてもブースを通じて披露していく計画だ。
 「航空機需要ゼロと言う現状のなか、2024年から、どのような需要が発生してくるか。先行きを見通すことは困難だが、省スペース化、効率化、スピードアップは、今後もニーズであり続けるだろうと思う」。