コイズミツールが独・グラインドテックに初参加「当社の製品の可能性探る場に」(小泉和弘社長)

株式会社コイズミツール

株式会社コイズミツール

小泉社長

 

  •  切削フォーラムのメンバーとして、コイズミツールがグラインドテックに初参加すると聞き、小泉和弘社長を訪ねた。  「展示会出展自体が初めてで、どんな反応があるか、あるいは、ないことも含めて、当社製品の可能性を探っていく場にしていきたい」。
  •  もちろん展示品目はPCD工具になる。
  •  「当社は11月決算だが、前期を振り返ると、立ち上がりが鈍く、ようやく春先から回復の兆しが見え始めて、昨夏から急増してきた。結果的には国内はプラス5%アップの売り上げ業績。100%特殊対応のPCD工具という生業の影響もあって、受注の乱降下が激しい。ボリュームが出た、と思ったら、次はゼロだったりする」。
  •  6年目に入った中国・広州の工場では「従来からの再研磨(主力は総型リーマ)に加えて製造ニーズが発生、ワルターのヘリパワー2台を日本から移設して、再研磨、製造への対応としてワルター機計6台を駆使していくことになった」と言う。  4年目を迎えたメキシコは、商社機能に特化しながら事業を展開する。
  •  「日本人1人に3人のメキシコ人で、自動車関連分野を中心に活動している。昨秋以降、伸びが顕著になってきたが、新作と改善提案がヒットしてきたと捉えている。市場的には、立ち上げ途上も多く、日本では減少している内燃機関系部品のラインの増設がメインになっており、ここだけ見ていると電気自動車の時代はまだまだ先ではと考えてしまう。その他関連部品も日ごと、増加を辿っている。工具については、現時点では使い捨てが多く、再研磨ニーズは、そんなに高くない」そうだ。
  •  ただ、精度的にはメキシコの方が厳しいそうで「例えば、日本で公差が20ミクロン以内とすれば、メキシコでは、10ミクロン以内が要求される」実態がある。
  •  日本は横浜と群馬・高崎に工場があり、中国は広州、そしてメキシコで商社機能を軸に拡大するメキシコ市場をフォローするコイズミグループ。
  •  「日本、中国、メキシコ合わせて売り上げは10億円強。再研含め、100%、オーダーメイドのPCD工具づくりに特化するが、今後、日本の生産体制では、群馬工場に集約して、横浜本社は開発と微細モノに集中していく方針」のようだ。
  •  ここ1、2年の間で、DMG森精機の「レーザーテック」、ロロマティックの「レーザースマート」など、レーザー加工機を相次いで導入。
  •  小泉社長は「できなかった工具の製作が可能になってきた。たとえば、径がコンマ1ミリのダイヤの円柱や、PCDエンドミルでは、挽き目が出ない工具づくりに貢献してくれている。可能性ある諸設備を導入して、開発の方向性を探り、今までできなかった領域に踏み込んでいきたい」との意欲を示す。