新製品「ADR(L)-DLC工具」の市場評価に期待するサイトウ製作所
齋藤社長
- コロナ禍による、訪問の制約、意思疎通の不十分さといった負の側面が取り払われる日が到来すれば?と齋藤社長は自問し「顧客への対応力の差が、実力差となって試される、実力勝負の世界が表れてくると思う」と自答する。
- いささか旧聞になるが、サイトウ製作所は、昨年10月のメカトロテックで、碌々産業、MSTコーポレーション、イワタツールの3社と共同セミナーを開催した。
- 「たとえば、真円度加工ひとつ取り上げても、工作機械やツーリングなど、工具だけに帰着できない課題を再認識する重要な機会となった。画期的な新製品と言うものはなかなか、具体化しづらいが、アプリケーションを踏まえた加工方法の充実、開発の重要性は常に意識し、新製品を生み出していく力を備えていきたい。実力差はまさにここに起因すると考えるからだ」。
- 新製品を具体化するとなると、差別化に通じるコア技術を駆使していくことになる。
- 「当社の場合、微細精密研磨技術と言うことになる。性能との関連で、どのような形状開発を進めていけばいいのか、理論と実践双方の深化が問われてくる」。
- 最近の新製品では、ADRのDLCコーティング工具がリリースされている。
- 「アルミ合金やダイキャスト部品の多穴加工をターゲットにリリース。溶着を抑え、切りくずの排出性向上を狙った。医療関連のユーザーからは寿命が伸びた、との評価を頂いている」と青木営業技術部長が補足する。
- 今年に入り、すでに1月、2月を終えたが齋藤社長は「ドリルは堅調に推移している。材料不足を意識しているが、現段階では、それほど深刻ではない」と語りながら「受注ロット数は20本~500本と言う世界。自動化しづらい多様性への対応が求められるなか、利益率をいかに確保し、上げていくか。『変幻自在、臨機応変』力を養っていかなくては」と利益率へも視線を向けた。