JIMTОFでは「高能率化」をテーマに設定。材料と形状の組み合わせで、新トライアルを実施するタンガロイ
木下社長
- タンガロイの木下社長を訪問した。2018年は、暦上でもあと2カ月、実質的にはもう2か月はない。
- 「今期、海外では北米の伸びが大きく、次いでイタリア、インドが続いた。国内は、業種で見ると、建機、航空・宇宙、自動車それぞれの伸びが大きいが、プロジェクトが新発足している自動車分野は設備投資が活発で、ツーリングの動きに連動してきている」。
- とは言え、旺盛な需要は、切削工具業界全般に欠品、納期遅れを常態化させてきているのも事実。
- 「当社は、先行投資的に工場の増強、設備投資を実施してきたおかげで、大きな欠品、納期問題は発生していない。標準品では基本的にご迷惑をおかけしていないが、顧客の間ではスピード勝負になっており、ツーリングや特殊工具での短納期ニーズが高まってきて『すぐに欲しい』ニーズは高まる一方。当社では、設備投資の手を緩めることなく、特に自動化への対応によってアウトプットは増し、リスポンスの速さに磨きをかけている」。
- 顧客間の「競争」とも関連しているだろうが、いわきと名古屋に開設している「テックセンター」には、顧客から、毎日のようにワークが持ち込まれると言う。
- 「高能率化を巡る共同開発案件が多い。特に自動車の小型化。昨年創設したツーリング部隊を中心に、当社の機械を使いながら、シミュレーションや効率的なツールパスの設定などを追求しており、いわきで15台、名古屋で4台ある、それぞれの設備は、フル稼働状態が継続している」そうだ。
- 5軸マシニングセンタや複合旋盤などの普及は、多機能工具をはじめ、付加価値の高い工具への需要を発生させている。
- 「当社の新製品比率で見れば、50%~55%が実績であり、件数では現時点で32件、今期は40件を予定しているが、商品のライフスパンが短くなってきている点を考慮すると60%は目指したい」。 目前に迫ったJIMTОFでは高能率化をテーマに設定しながら、材種にスポットを当てる試みも。
- 「新材種を投入しており、材料と形状の組み合わせで、速度を1・5倍にしても寿命が長くなる事例をデモで検証していく」。
- もちろん、ブースでは、新製品コーナーやねじ切り、溝入れといった「シマ」ばかりか、「旋削」「穴あけ」といった加工形態別に沿った展示も試みられる。
- 「現場のプロの方に試して頂く展示会と思う。一緒になって、課題解決にむけて、一歩、進んでいける場にしたい」。