大阪・堺のメイキ産業が3社一体の産業機械事業をスタート

株式会社メイキ産業

株式会社メイキ産業

今年3月に導入した倉敷機械の横中ぐり盤

     産業機械の標準化へ
     自社ブランドとしての販売を目指す
     「一品の注文でも配達」で顧客との信頼関係を構築
     「長期的な視野で見える需要」を取り込む設備の導入

堺市に本社を構えるメイキ産業を訪問。同社は、岡本鉄工とプランズの3社を含めた新たな事業スタイルを構築。メイキ産業と岡本鉄工の代表を兼務する岡本憲恭社長を取材した。

メイキ産業は、切削工具、工作機械、機械部品、管工機材、そして産業機械等を販売する商社である。なかでも興味深いのは産業機械に関する事業スタイル。

今年7月から、メイキ産業、岡本鉄工、プランズの3社が一体となって産業機械の設計、製造、販売する体制がスタートした。

具体的には、商社であるメイキ産業が産業機械を受注し、設計会社プランズが図面を担当、その図面を基に岡本鉄工が製造し、メイキ産業が販売するというスタイルである。

直近では、運搬機器販売商社から幅1・5m、全長5・5mのコンベアを受注。プランズは商社からの要望を吸い上げ図面に落とし込む。メイキ産業は、コンベア製造に必要なモーター、ベアリング、シリンダー、チェーン、近接スイッチからボルトやネジに至るまで、全ての部品とともに加工に必要な工具を調達し、岡本鉄工に提供。コンベアを岡本鉄工が製造し、メイキ産業が買受け納品したそうだ。

こうしたスタイルのメリットについて、岡本社長は「商社、設計、製造3社が一体となることにより、コスト削減、納期短縮はもちろん、情報の共有など、メリットはたくさんある」という。3社が一体となることで、設計、製造業者の選定作業が省略でき、コストや納期の調整もスムーズになる。また、図面を作成することにより部品の選定も自由にできる。情報の共有という面では、メイキ産業が取り扱う工具のテスト加工を岡本鉄工で行い、その情報を顧客に提供できる。また、岡本鉄工としても設備や工具の最新情報について、メイキ産業と共有できる。

メイキ産業の創業は、平成12年2月。平成15年にメイキ産業の製造部門として岡本鉄工を創業し、平成23年4月法人化した。そして、今年に入って関連会社としてプランズが加わり今に至る。

岡本鉄工は、溶接機1台でスタートし、フライス盤、NC旋盤、マシニングセンタ、研削盤等、年々設備を充実させてきた。今年3月には、ものづくり補助金を活用して、倉敷機械の横中ぐり盤を導入した。

設備の導入について、「効率の向上はもちろん、新たな需要を取り込むことも目的としている。他にはない設備を導入して、すぐに成果が上がらずとも、長期的な視野で見えてくる需要を取り込めるよう設備する。今後は、塗装にも力を入れたい。特に焼付塗装を設備し新たな需要を取り込みたい」と、岡本社長は語る。

岡本社長は現在45歳。メイキ産業創業時に28歳で入社し、平成25年6月に2代目社長に就任。前職も含めて27年間営業に携わってきた。「顧客との信頼関係」が大切と語り、「良品を納期通りに納め」、「一品の注文でも配達する。コストはかかるが、そこから信頼が生まれ次の仕事に繋がる」という。

最後に、岡本社長に今後の展望を伺うと、「産業機械に関する事業スタイルは、スタートしたばかり。まずは、このスタイルを充実させることが大切。その上で、配送と機械の据え付けを担当する組織を構築したい。そして、さらには、産業機械を標準化させ、自社ブランドとして販売していきたい」と、結んだ。

 

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メイキ産業・岡本鉄工外観

 

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岡本憲恭社長