高硬度材加工の新製品「PcBNマルチコーナーインサート」を出展、披露する中京
量産前提の、期待が持てる商材としてリリース

MCD小径ボーリングバイト
従来からのPCD工具、PcBN工具に加え、単結晶ダイヤモンドであるMCD工具づくりに挑戦し、製品化して以来、4年の歳月が経過した。ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車・・・多様化する車づくりへの対応を巡り、技術的研鑽を積んで、将来像を描いていく現状はどうか。メカトロテックで披露するポイントを含め、川瀬社長に「中京の今」を語ってもらった。
豊明新工場が稼働スタートして2年余が経過した。
「IoTモニターを活用し、生産の見える化を図るなど、この間、いろんなトライアルを実践してきたが、現在、注力していることのひとつに、顧客から持ち込まれたワークのテスト加工がある。弊社のPcBN工具、PCD工具ユーザーからのニーズに対応したもので、製品精度や工具寿命を検証したりしている」。
テストの加工内容をビデオカメラで撮影し、顧客と結果を共有しながら意見を交換し、技術的な課題を設定し、前進していく。新製品開発にも活かせる試みとも言えるだろう。
「メカトロテックで披露する高硬度材加工用の新製品、PcBNマルチコーナーインサートも、この間、研鑽を積んで、結実した差別化製品だ。量産を前提とする、数量を想定できる商材であり、手がけているメーカーもあまり多くなく、競争に晒されることが少ないというメリットも大きい」。
超硬との比較テストでPcBN工具の性能は、特に高硬度材加工で比較にならないレベルだそうで、高精度、長寿命が謳い文句だ。
「販売の主力を担うという点で、カルカッターシリーズ(正面フライス)は、頭ひとつ抜きんでている。鋳鉄加工用カッター『CBN CAL CUTTER』とアルミ・非鉄金属加工用カッター『CAL CUTTER』をそれぞれラインナップし、アルミ材料から鋳鉄材料の仕上げ加工に対応する」。
MCD工具の最前線に位置づけられる、スクエアとボールそれぞれのエンドミルの新製品もメカトロテックで披露される。
「優れた刃先稜線の形成により、精密金型などの仕上げ加工が可能になってくる。是非ともPRしていきたい」との用途を明確にする。
中京の顧客のほとんどは自動車関連。100年に一度と言われる変革期のなかで、自動運転を含め、多様化を迎えている近未来をどのように展望していくのか。
「愛知県内の大手自動車メーカーからのリピートは落ちていないものの、新規プロジェクトは企画されていない。大手部品メーカーも振るわない。今後も当面の間は試行錯誤が続く」。
PCD PcBN CAL CUTTER